1999年の演劇(PART4)

最終更新 2000/01/03


見えないようにしていた所も公開しました。記憶のいい人は内容に関すること を読まないほうがいいかも。

10月02日 茶船 「フラワー」 千本桜ホール 1200円

明治大学系劇団だそうですが、渋かったです。アパートに幼なじみの同棲カップル がいて、やたらと喧嘩している。壁には穴があって隣の男が四谷さんのように訪ね てくる。カップルの男は大学生で、けっこうまじめに学校にいったりレポートを書 くなどしているのだが、女はアルバイトをやめてしまって無職で不眠症になってい る。女が男にやたらとからむので、男のほうはうんざり気味。女は隣の漫画書きや いつも鉢植えをもって散歩しているバーテンの男に、もう付き合いが終わりに近づ いているとこぼすのだが。。。
出だしののろさが、さらに1時間50分と聞いてしまったので、つらかったですが、 だんだんおもしろくなってきました。かなりシュールな内容なので、もう少し演技 がうまいとうれしかったですが、本、演出ともかなり満足です。カップルの女の子 とバーテンはうまかったです。

10月02日 扉座 「ホテルカリフォルニア」 サンモール 4000円

初演は見てないので、作品的にははじめて見ました。客入れからセーラー服着た ねえちゃんたちがやってて、怪しい雰囲気でした。横内謙介はじめ厚木高校出身者 たちの自伝的青春物ですが、かなり苦いです。「熱海殺人事件」の紀伊国屋ホール 公演や、演劇部が全国大会にいった「山椒魚だぞ」などの劇中劇もあって内容もり だくさんです。 でも、横内作品は扉座以外で見たほうがおもしろいのは、いい作品が選ばれて上演 されるからですかね。

扉座

10月03日 RSC 「リア王」 さいたま芸術劇場 10000円

日本で日頃上演されているシェークスピア劇とあまりに違いすぎる。最初の20分 は涙ダラダラになってしまいました。しかしその後は蜷川らしい派手な演出が、シ ェークスピアの文化と違う方向に行ってしまったような感触と、英語を聞いて心理 的なところまで理解できない語学力不足で、うとうと。ほんとにすごい企画で、質 も極上の公演だとは思うのですが、観客の方に力がないと見れないというのが情け ない。とほほ。

10月03日 松乃湯 「自殺だよ、全員集合!!」 ソミドホール 3000円

自殺した女の子たちが、霊界で苦労する話です。劇の方は大したことないんだけど 観客参加のゲームが恐ろしかった。ドンケツで負けるとパンツを脱がなければなら ないといことで、スーツ姿の石田さん(31才)がおいしいリアクションを見せて くれました。すでに松宮さんも登場してます。

10月09日 「キーン、或いは狂気と天才」 新国立劇場・中 6300円

エドマンド・キーンの死後3年の1836年にアレキサンドル・デュマ作で初演された 「キーン、狂気と天才」を1953年にジャン=ポール・サルトルが改訂した作品で、 チラシの江守徹をみるとシリアスそうですが、かなり気楽に笑える内容です。 シェークスピア劇で圧倒的人気を誇ったキーンは、舞台と社交界の生活にまみれ、 なにがリアルでなにが芝居なのかわからないような生活をおくっている。デンマ ーク大使の伯爵夫人を新しい恋の相手と決めるが、キーンのファンで女優志望の お譲様にもアタックされる。英皇太子を巻き込んだ人間関係のもつれが、オセロ ーに真の悲劇をもたらす。。。
なにより、イギリス人は絶対こんな演劇は書かないだろうというようなテイスト です。キーンに敬意を込めて書いたというより、シェークスピア劇に熱中するイ ギリス人を風刺してるような観すら感じます。特に哲学的にどうのという感じは ないですが、人間性の直接的表現追求の仕方がフランス風なのかなという気がし ます。場面場面はいいところ多いんだけど、長いのでどこが焦点なのか掴みにく いということがあります。 演出や美術の凝りようは驚くところもあるけど、新国立劇場ならこれくらいは やるでしょうというレベル。個人的に、この秋一番の期待作でしたが、大劇場 ストレートプレイの出来としては満足、シェークスピアを使ったにしてはメッ セージ性不十分といったところでしょうか。

新国立劇場

10月09日 Broad Egg 「break down」 千本桜ホール 600円

不可能と思われていた第2回公演が実現したとか、書いてありましたが初めて 見ました。就職活動中の大学生の所に、90年後の未来の科学者と、幕末の侍が タイムスリップして同時に現われた。人間の潜在能力を高める薬物を摂取した ためらしいと分かり、現代でその方面の研究をおこなっているのが大学生が通 う大学の教授だったが、彼はその薬物を人類を支配するために使おうとしてい た。。。
なぜか照明が暗くて(国立劇場の後だからかなあ?)少し見にくかったですが、 後半のもりあがりなどはなかなかおもしろかったです。

10月10日 tpt 「債鬼」 ベニサンピット 7000円

ひさしぶりにtptです。若手3人のロングランで7000円は高いという気がしてい たのですが、ワークショップやらイタリア人の美術やらで準備にかなり手間を かけた公演だったようです。スエーデンの作家アウグスト・ストリンドベリの 1888年に執筆された戯曲ですが、上演禁止になったりして、最初から世の中に 認められた作品ではなかったようです。
まだ1週間あるので内容に関するところは見えないようにしておきます。挑戦 的な表現ではありますが、個人的にはtptの中では低評価の中に入ってしまい そうです。
足の不自由な芸術家と、妻、妻の前夫が愛や夫婦に関するゆがんだやりとりを するものです。tptの旗揚げのときからのテーマである、女の悲劇には合致する 作品だとは思いますが、日本人にはかなり馴染みにくい本じゃないでしょうか。 それと、本の内容対してはキャストが若すぎるような気がします。むき出しに 近い感情とか、壊れそうな精神を表現するのは良かったですが、退廃感や悲劇 の裏にある滑稽さとか、戯曲の持ち味をもっとを出すには、もうすこし年上の 役者のほうがよかったのではと思いました。 中嶋朋子が離婚しないことを願いつつ、今日はここまで。

10月10日 かわいい僕ら 「マザーズ」 pamplemousse 1800円

女性5人のコント劇団で初めてみました。1〜2分で終わってしまうものから、 公演タイトルになっているマザーズの30分のものまでいろいろありました。 マザーズはこんな内容です。大食いでボーとしている女が、友達に妊娠したと 告げ、夢の中で反町隆史と愛し合ったというのだが、友達は妊娠そのものを信 じない。そこへ怪しい喪服姿の女2人が現われ、宇宙人の子供を産ませる実験 プロジェクトで人違いをして、子供をつくってしまい、子供と記憶を消去する という。本人の産む決心はかわらないのだが周囲があれこれ騒いで、ゆきづまっ た時、隣の中国人と思われていたおばさんが、宇宙人の産婆さんとわかり一安 心。かぶっていれば反町という宇宙人の正体やいかに。
全体的に大笑いするようなコントではないんだけど、開き直ったくだらなさが 愛しいです。無謀に近い踊りもスリルがあって。

かわいい僕ら

10月11日 文学座 「夢の島イニシュマーン」 紀伊国屋ホール 5000円

なにか別の書き物でマーティン・マクドナーの事を読んで興味がわいて見に いきました。ロンドンやNYではかなり評価が高いようです。
アイルランドの小島イニシュマーンに住む、身体の不自由な少年?ビリーは 死んだ両親の替わりに育ててくれた、婆さん2人がやっている雑貨屋に暮ら している。近所には同じ位の年頃の姉弟がいて、ビリーはその活発な姉に密 かに恋している。おしゃべり好きな中年男が、隣島にハリウッドから映画の 撮影が来ていると聞いた、ビリーたちは撮影を見にいき、運よくば映画に出 ようと考えている。2人の婆さんはビリーが行くのを反対するのだが、身体 のことで外の世界を知らないビリーは欲求を押さえられず、結核であと3ヶ 月の命という医者の偽手紙を使って、船にのりこんだ。撮影が終わって近所 の姉弟は帰ってくるが、ビリーは映画関係者に誘われハリウッドに行ってし まう。数ヶ月後、婆さんたちがビリーを心配してボロボロになっている所に ビリーが戻ってくる。映画出演はだめだったけれど、自信をつけたビリーは 好きな彼女に恋を告白するが、あっさり振られる。その夜また家出しようと すると彼女がやってきて「散歩するだけならいいよ。」といいつつキスをし てビリーは小さな幸せを享受する。
雰囲気としては、小さな島のほのぼのとした人間関係が描かれていて、日本 人にも全く共感できる内容。ただ、文学座なのでベテラン俳優の演技ウェイ トが重く、少年達?も20代半ばの上手い役者がやってしまっているので、ウ エルメイドすぎる観があります。やんちゃな娘を演じた山像かおりは、地の キャラクタらしい(とプログラムに書いてある)ですが、この構成においては いい演じどころだったと思います。ただ外国上演では、もう少し若者にウェ イトがおかれた演出で、激しいのではと想像します。 1996年の作品で、もちろん初の翻訳なのですが、アイルランド言葉の意味など を知るのにインターネットが役立ったというのも、今後外国の新作がいち早 く紹介されたり、日本の演劇作品が外国で翻訳上演されたりするようになる きざしだといいんですが。

文学座

10月11日 Fermata 「カミノ画報」 アールヴィゴ 1500円

初めて見に行きました。女性5人の劇団です。近未来、カミノという漫画家 がものすごく売れて、カミノ画報という個人漫画誌を出しているのだが、工 場でアシスタントがボロボロになりながら書いているのが実状。さらに仕切 っているのがカミノの愛人で、漫画を書かない人なので、無茶苦茶こき使わ れている。みんな最近のカミノはおもしろくないと思っているのだが、プロ デビューを狙っていたり、昔のヒット作の影響を受けすぎていたりして、な かなかやめられない。しかしカミノの娘の反抗や、アシスタントの自殺未遂 などがおこり、ついには。。。
ビジネスを追求していくと、こんなことも実際におこってくるとは思います が、人気物が勝つ業界はたいへんです。これもプロレタリア演劇なのかなあ ???。内容はハードでしたが、演劇鑑賞としてはかわいくて良かったんじ ゃないでしょうか。

10月16日 動物電気「チョップが如く」 駅前劇場 2300円

いままであまり前でみたことなかったので、最前列で見てみました。郷土史 劇だそうです。これまで〜劇というのが、勘違いくさいのが多かったけど、 今回のは正直にそのものですね。小林、辻の気持ち悪さに頼りすぎの観もあ りますが、なまくら刀で斬られるような非洗練なバカさが、ここまでやると 商品として成立するのかもしれません。

10月17日 シアトリカル・ベース・ワンスモア 「倭王伝」 サンモール 4000円

野中友博作というので見に行ってみました。ワンスモアは第14回公演という ことですが、初めてみました。大学系劇団と客が違うような気がしますが、 人気あるみたいです。 大和朝廷ができる以前、”車座の物夫(くるまざのもののふ)”と呼ばれる合 議的な緩やかな王制でなりたっていた倭の国の最期を描いた物語です。 はじめ和風RPGみたいなノリで、演技の軽さが惜しいような気もしたので すが、だんだん身に染みる言葉が多くなって、かなりいい本と感じるように なりました。単に古代ロマンだけでなく、人間が社会を構成することにより 発生する政治という問題を、なんとなく新しい切り口で描いていたような気 がします。

10月17日 バフドクロ 「バフドクロ First Live」 千本桜ホール 1000円

男6人のコント集団です。大学生くらいだと思います。 全部で1時間でしたが、ずっとテンションが高くて、ノリが良かったです。

ひさしぶりに国立競技場にサッカーを見に行きました。いやはや5万人以上集まる とさすがに人ばかり。ロイヤルボックスの奥に用意されていたお食事コーナーが気 になって双眼鏡でそればかり見てました。

10月23日 宮本亜門 「I GOT MERMAN」 博品館 7000円

1987年に初演された、宮本亜門の演出デビュー作の8年ぶりの再演で、SOLD OUTし ているみたいです。1930年からブロードウェイでミュージカルスターとなったエセ ル・マーマンの偉業と、プライベートの苦楽をおなじみのナンバーにのせて描く ミュージカルショーです。ニューキャストの方を見たのですが、声が大きいのが最 大の特徴だったマーマンを表現するためか、公演もマイク無しでかなり大きな声で たくさん歌います。ニューキャストといってもそれほど若い役者がやるわけではな いので、個人のパフォーマンスの持ち味の違いはあるでしょうが、ミュージカルの 見所としては同じようなもんじゃないでしょうか。銀座に合ったショーだけど、普 段からある程度ミュージカル見てる人でないと、シンプルさによって味わえるもの がわからないかもしれません。

10月23日 あいやすいか 「ベビーブラック」 アール・コリン 2000円

今月は仕事が忙しく、昨日から少しヘロヘロ気味だったので爆睡してしまいました。 弁護士事務所が扱うことになった事件は、カインの末裔と呼ばれる300年封印されて いた事件で、環境汚染のために母星を捨てた人類の歴史に影をおとすものだった。 正劇団員6人だけの公演でシンプルだったんですけど、暗転が多くて、役が替わる がわるで少し難解でした。カインとアベル、アダムとイヴなど聖書のエピソードを 取り入れてあるのですが、今ひとつ現代演劇を生かす方向には働いていなかったよ うに思います。かけあいのセリフなどはなかなか刺激的でよかったです。ともかく 寝過ぎで、申し訳ない。

10月24日 力の加減 「赤色巨星」 pamplemousse 2500円

初のSF作品ということで、迫力満点???でした。太陽が突然膨張を始め、あと 1年で人類が滅びるとわかったとき、国家安全局?長官たちは、噂を封じて当面の 事態収拾をはかろうとする。長官の友人の作家ヒシカワは病気療養中だが、謎のパ イプを身体につなぎ助かっている。長官と部下が見舞いに来て、面白がってパイプ を外したのを見た、看護人カオルコは長官達に原稿用紙5枚分の反省分を出すまで 出入り禁止と怒る。彼女は残された1年で、宇宙人に助けてもらうために通信を送 る準備を進める。一方付近を通りかかった宇宙船が、星の女王タナカからの救援を 求めるホログラム通信を受け。。。
意味不明なものにあふれた不思議なSFです。内容についてあれこれいっても仕方 ないけど、知的脱力にけっこううちのめされます。カエルコはかわいそうだな。

オフィス加減

10月24日 遊PAC 「ハックルベリーにさよならを」 千本桜ホール 1000円

成井豊の作品です。有名作品ということもありますが、今週もっとも落ち着いて みることができた公演です。父親役にちょうどあった年くらいのオジサン多数な ので青春物?はちと苦しいですが、やる気があればなんでもできちゃいます。

遊PAC

10月30日 03ゴールデン劇場 「ラストスクラム '99」 千本桜ホール 2800円

千本桜で指定席公演をやる数少ない劇団です。でも土曜の昼は、桟敷からっぽでした。 40才近くになってもラグビーへの情熱醒めず、アマチュアチームでハードな練習を続 けている元学生ラガー数名と、日刊ゲンダイの広告で集まった趣味程度にラグビーを やりたい人が集まったチームがあり、女性3人を含めても10人しかいない。居酒屋での けんかが元で実業団チームと試合をすることになり、リーダーはやる気充分だが、練 習場が取れず詩吟の会という名目で市役所の会議室を借りたりして練習している。 エスカレートする練習にメンバーはいやな顔をし出すのだが、集まって「スクールウ ォーズ」のビデオを見ると、また盛り上がってしまう連中なのだ。しかし、けんかや 試合はリーダーの恋人が、リーダーの男にふんぎりをつけさせるために仕組んだ事だ った。女性を含めて10人しかいないチームが勝てるのか、そんなとき強力?な助っ人 が。。。
みんなが何かしらもっている、何かにうち込みたい情熱を上手く劇化してあります。 途中バラバラになりかけたチームが、変な助っ人の影響もあってまとまっていく様が おもしろいです。

10月30日 「ラフカット '99」 スペースゼロ 3200円

土曜日のせいでしょうか、けっこう空席がありました。アンケートで参加してもらい たい劇作家を書く欄とかあったけど、オーディションで集めた役者を使えるだけの作 家・演出家となるとある程度実績のある人にせざるを得ないし、中堅の作家からおど ろく程の本ができてくるとも思えず難しいですよね。役者のためのイベントだから、 この際、イベントプロデューサーをテリー伊藤あたりに頼む?

10月31日 JAC 「HIJIKATA」 グローブ座 4300円

つか作品などで見ている人もいますが、ジャパンアクションクラブとしての公演は 初めてみました。新撰組物で副長の土方を主人公にしたものです。ストーリーも そこそこよかったですが、近藤勇の人物像がなかなか味のある描きかたで良かった です。チャンバラは普段、生演劇では見られないくらいの凝り方で、アクションだけ でも見る価値があります。テレビ時代劇もいつも決まったオジサン役者の勧善懲悪だ けでなく、たまには見ていて力の入る作品をつくってもらいたいものです。有名人の 顔見せだけの元禄繚乱の3倍くらいはいい出来でしょうか。 しかし西郷隆盛役は迷わず決まったんでしょうね。あのはまり様。

10月31日 T-PLAN 「ぶらいだる」 モリエール 2300円

7時からの公演を適当に探していったものです。初めてみましたが、見覚えのある 役者もいたような。JACでかなり濃いやつを見た後だったのですが、こちらは更に 濃かった。事故死した婚約者の妹と暮らしている男は、彼女とできてはいけないと 硬く誓っているのだが、彼女のほうが結婚をせまってきて苦悩している。彼女が務 めていた店がつぶれて、3人の常連客が彼女に結婚を申し込んだ。売れない作家、 彼女のために離婚したサラリーマン、一見金持ちそうな焼き鳥屋の社長の3人は 必死に口説くのだが彼女は承諾しない。兄として振る舞おうとしている男は、求婚 して来た3人を試すために、私生活を叩いたり、精神的圧力を加えるのだが3人は 引き下がらない。心の中では彼女が3人のうちのだれかを選んで幸せになってくれ ればいいと思っているのだが、底にひっかかるものが。。。
力のこもったセリフの洪水。話のネタは日常的なことだけど、男達の本音と建前が 熱意とともに語られ、また語られ、いやすごかったです。うるさいの駄目という人 には向かないけど、ここまでやってくれるとホントうれしい。 あー。濃いやつが多い2日間でした。

T-PLAN

11月06日 螺旋組 「紅影楼」 シアターグリーン 2800円(通し券)

おもに場所と時間で選んだ公演で、初めて見る劇団です。うさんくさい話ですが、 かなり気に入りました。フーを演じた飯田千賀のセクシーもなかなかでしたが、よ く聞くとセリフの質も高い。ヌルさを感じるところも無くはないですが、末期的状 況の作り方とか、そこで見える人間の本質とか上手いと思います。
廃虚の中で、若い男を初老の男が追っている。足を撃たれた若い男が逃げ込んだの は、フーという娼婦の部屋で、彼女も10年振りに帰ってきたばかりだという。初老 の男はフーの昔からの客で元刑事、若い男は元刑事の娘婿で、孫を殺し、娘を自殺 に追い込んだために命を狙われている。元刑事はフーの最初の客で、死病がうつる のを承知で寝た事を自負し、フーは自分に従うと考えている。しかしフーは若い男 を匿い看病する。フーはかつて娼館だった部屋で姉さんたちを待っていると言うの だが、壁には骸骨が並び、元刑事は10年前に娼婦の争いでフーが姉さんたちを皆殺 しにして、逃亡したことを語る。ついに元刑事と若い男が直面するのだが、フーは 嫉妬で我が子を殺した若い男を選ぶ。。。

番外 ミュージカルセーラームーンファンイベント サンシャイン劇場 3500円
冬休み公演の新作は、セーラームーン役が交代というので、どんな人か見にいって みました。原史奈より若くなって(2〜3歳でしょうが)、明るい元気な女の子でした。 遅れていったので、名前とかよくきいてなくて忘れてしまいました。歌や踊りはし っかりしていて、キャリアは長いんでしょう。それより赤嶺寿乃いいですね。他の 作品でも見たいです。

11月06日 Sky Theater Project「ひとりじゃない!」 ジェルスホール 1800円

見るの2回目です。大学の演劇サークルが学祭公演で部長の一人芝居をやることに なっていたのだが、初日部長が来ない。バス事故に逢って警察に居ると電話が入る。 裏方をやるはずだったサークル員たちは、一人芝居でなく、全員が出演する形で 上演強行する。芝居は飛行機事故で別世界へ飛ばされたサラリーマンが活躍するR PG風のファンタジーで、途中で配役が変わってしまったりドタバタするが、なん とか進んでいく。半ばまで来たときに部長が戻って来て、初回公演は中止にしろと 言ったはずだと怒るのだが、始まったものは仕方なく部長は悪の親玉黒仮面として 登場する。独裁者黒仮面と反旗をひるがえす勇者たち、一人芝居公演を決めた部長 とサークル員たち、ある意味似た状況のなかで激突!
舞台も見せちゃうバックステージ物で、RPG風劇中劇も安直なはずなのに、難し かったという声が多かったようです。こなれていないというわけでは無くて、意図 的に、バカな行動、シリアスな精神を描いたのだとは思うのですが、チラシもお馬 鹿だったので、不意をつかれた人が多かったんでしょう。私も面白かったというよ りは、変わったヤツを作ったね。という感想です。

Sky Theater Project

11月07日 天下人 「失いたくない今を〜あの日が来るまでは〜」 千本桜ホール 2500円

今年4月に旗揚げした劇団の第2回公演です。とはいえどんな劇団かすっかり忘れて 見にいきました。秘密警察みたいなのを辞めてバーをやっている女の所に、昔の敵に かけられた懸賞金目当ての男がやってくる。敵の強さを知っている女は戦いをやめる ように言うのだが、敵も昔の恨みで女を狙い、妹を殺した事で決戦が始まる。
完全にB級バイオレンスアクション物なんだけど、アクションは激しかった。ドロップ キックも動物電気より高いし、あれだけ投げ飛ばすと下の階にも響いたでしょう。 ともかくお疲れ様です。

11月07日 イプセンを上演する会「私たち死んだものが目覚めたら」 新生館アトリエ 2500円

第4回公演ということですが、初めて見にいきました。20人強の観客ですが好き者 そうな人ばかりです。1899年イプセン71歳のときの作品で、最後の作品との事 ですが、日本ではこれまで1回しか上演されていないとのことです。著名な彫刻家 の夫妻が避暑旅行に出ようとしている所に、最高傑作彫刻のモデルになったもの の完成直前に消えた女と、夫人の退屈をまぎらす絶好の相手である熊撃ちの男が あらわれる。彫刻家は名声を得たものの、その女が消えてからは満足できる作品 を作れずにい、女の方も自分の裸像が最高傑作となり、その後に良い作品を作ら せないために姿を消したという。(ここらへんが本心で語っているのかどうかわか らない。) 再会後、女は彫刻家に自分の魂までも捧げたのに、愛してくれなかっ たと恨み言をいうのだが、当時のハイテンションの関係と今落ち着いて考える関 係の違いに気づき、再び互いに求めるようになる。
はっきり言って現代人では、1回見ただけでは、何がテーマなのかわかんないん じゃないかと思います。「幽霊」とかだと明らかな狂気とか見えてくるだけど、 この作品は、考えすぎの恋愛なのか、歪んだ情念なのか、動機がわかんないです。 まさかタイトルとおり、死んだものが目覚めたら、ってのオチじゃないですよね。 演技、美術、演出はtptのイプセン作品の上演に近いものに見えました。

11月10日 KANZAN組「絢爛とか爛漫とか(モガ版)」 ウッディシアター中目黒 3000円

自転キンの飯島早苗の作品ですが初めてみました。モダンボーイ版・モダンガー ル版を交互に上演ですが、初日のモガ版を見ました。小説家や評論家を目指す4 人の女性が、仕事や結婚のことで悩み、励まし合いするウェルメイドコメディで す。スランプだった小説家がやっとものがたりを完成させて、作家としての自信 を取り戻したとき、他の3人は別の道を歩き出してしまう。小説家がものを書く意 味を考えさせる面もありますが、モガ版だけでは核心部分が半分かなと感じます。 タイトルもちょっとオーバーですね。役者は個性的に演じてはいましたが、劇で あることを感じさせすぎるのが、まだまだかなあという気がします。

KANZAN組情報

11月13日 TREEカンパニー「贈るこころ」 北沢タウンホール 3900円

2回目です。ホントは別のを見るつもりだったのが渋滞でバスが遅れてこれにし ました。富良野塾出身の白石雄大とダンサーのマーサが演劇とダンスの融合した ステージ作りをしているシリーズの新作です。売れない脚本家が自殺しようとし たところに、父が天使になってあらわれる。父は書きかけの台本を、閉館間近の 劇場支配人に届け、最終公演がおこなわれることになる。オーディションには オカマバーのママや、お金持ちのお嬢様(3?歳)などしかこないで、公演は不可能 かと思われたのだが。。。
劇中劇でも愛について考える内容で、地の部分も親子愛を中心に愛情たっぷりで す。観客が家族連れや、中高年が多いのでこういう路線になるかという気もしま すがかなり感動作です。ちょっと年増なダンサーズも目茶苦茶がんばってます。 日常的に演劇まみれになっている人達でなく、街のいろんな人を集めて楽しませ るっていうのは、ほんと大変だと思いますが、こういう客席の雰囲気を知らない のはまずいような気がします。

TREE COMPANY

11月13日 燐光群「天皇と接吻」 スズナリ 3600円

これも当初は予定してなかったのですが、気がかわって下北ではしごしてしまい ました。留学後の新作ということで、初日から好き者の観客で客席の熱気がかな りのものでした。えっこれが燐光群なのという始まり、ほとんど扉座状態。その 後は、すこしづつ重みが出てくるのですが、行き場のない問題提示ではなく、明 快に言い切る所が多く、新しいスタイルかと思います。 外人キャストのプレイもうまくリアリティを増す方向に働いていて良かったです。 川中健次郎以外はほとんど若手だけで、客演の手塚とおるの擦れた感じも燐光群 にはないもので新鮮でした。キスマークで描いた日の丸ってのが印象強いです。 大人の楽しみ劇団であって欲しいですが、扉座やナイロンファンでも十分楽しめ ちゃう作品です。
ニューヨークで発行された平野共余子の学術論文「天皇と接吻」から着想を得た とのことですが、GHQの政策に関する事以外は、ほとんど坂手洋二の創作でしょう。 高校の文化祭で、映画部が「天皇と接吻」という自主制作映画を上演しようとす る。しかし応援団や上を気にする教師たちが騒ぎ出し、上演中止という決定がさ れる。場面は飛んで、昭和20年9月、新日本映画社は広島と長崎の原爆被害のニュ ース映画を作るべくGHQに許可を求める。GHQからは情報部の検閲官ではなく、CIE という文化的に民主化をはかるための組織から担当官がやってくる。彼らは始め 天皇を非神格化することと、キスシーンを映画に入れることを要求する。高圧的 ではあったが、映画作りには前向きで、国策映画を不本意に作ってきた映画人達 には、新しい映画作りの情熱が蘇る。しかしその後GHQは対共産主義政策のために、 天皇制存続に荷担し、自主的な映画作りにも圧力をかけるようになり、CIEの担当 官たちは職を追われる。それでも天皇制存続の是非を扱った「日本の悲劇」が7日 間のみ自主上映された。時代は現代に戻り、「天皇と接吻」の上演を強行しよう とする映画部はバリケードを作り、ビデオテープのありかを極秘にしたまま文化 祭の日を迎える。開会式で君が代斉唱がおこなわれ、生徒達の関心が高まる中、 校舎をスクリーンとした上映が始まる。

燐光群

11月14日 空中バレエ「緑髪」 シアターグリーン 通し券

先週買った通し券1回だけではもったいない気がして、今週も池袋まで行って しまいました。この劇団も初めてみます。海底に住む化け物と、三蔵法師の子 孫が登場するストーリーで、人類の無頓着さをつついてくるような作品です。 最近、人間はすばらしい系の物語を多数見ていたせいか、始め違和感がきつく て帰りたくなってしまいましたが、こういうテーマも結構重要だよねと思い直 しました。劇としてはかなりクサイ部類になってしまってると思います。正直、 演技は上手くないです。でも、作り手の安易に客受けするものでない作品作り の意欲を感じます。おげれつは過ぎるかもしれませんが。16日まで。

空中バレエ

11月14日 ぴんぽんだっしゅ「過去と未来の交鎖点」 千本桜ホール 2200円

はじめて見る劇団です。大学生くらいだと思いますが、かなり見た目に若い人 もいました。1人の女子高生が帰りの公園で不思議な少女に会い友達になる。 少女は遊びでは元気があるのだが、病気でついに死んでしまう。女子高生はと ても落ち込み好きな絵描きすらできなくなる。 一方未来の世界では、タイムワーパーという仕事があり、過去の不幸な人を幸 せにする仕事だと信じた若者が従事している。さっそく前記女子高生を助ける 活動が始まる。 しかし実は未来人の空虚な心を満たすために過去の人間から心の情報をコピー して、場合により殺してしまう仕事だった。それに気づいた隊員は。。。 人間の行動制御と自意識の戦いを描いていたと思います。というーか、すごく 斬新で私ではついていけなかったというのが実状。今時の若者のようにリアル タイムにコミュニケーション情報を流通し合う感覚で見る必要があるんでしょ うね。一部の役者、恐ろしいくらいに上手かったす。

11月20日〜12月19日ミュージカル強化月間なんちゃって。 ミュージカルは色付サービス。

11月19日 紅王国「不死病」 ウッディーシアター中目黒 3000円

重厚な作風で注目を集めつつある野中友博が主宰する紅王国の第3回公演です。 タイムリーにミイラ事件などが起こり、死に対する変わった見方というものが 着目されているので、いろいろ考えながら見て楽しんでください。どうしても 一定水準以上の演技でないと許せないという人には難があるかもしれないけど、 戯曲構成の妙を味わえる一品です。でも「倭王伝」の方が好きかも。
第2次大戦後、ある山間の村で人が血を失って死ぬ事件が連続しておこった。 その村は隠れキリシタンの文化を伝え、本家を中心とする一族が閉鎖的に暮ら している。本家の次男まで殺され、警察や村出身の大学教授が捜査にやってく るが、次男の死体が突然消えてしまう。警察は一連の殺人との関係で彼を探し 始めるが、長女は彼をゼウスの元に帰すために探すと決心を込めて語る。一方 となり村に本家が管理する離れと呼ばれる家があり、夫婦のような医者と一人 の病人のような娘が暮らしている。最近この娘が我を忘れて出歩くようになり、 医者達は潜伏期を過ぎ発病し始めたのではと語り合う。復活した次男は隠れ教 会で離れの人々と会い、吸血鬼に至る「不死病」にかかったことを知らされる。 意図的に感染者を増やすわけではなく、いつか病気の治療法が見つかる事を願 い、静かに生きようとする不死病患者と、一族の家訓によって患者を吸血鬼と して滅ぼそうとする長女や教授たちの戦いとなる。吸血行為の善悪よりも、不 老・不死の人間がいた場合に、これは善か悪か、存在させてよいものかという ことを2転3転させながら詰めていきます。

11月20日 エルダ「メロディ」 サンシャイン劇場 4000円

創作童話の公募・製本として活動を開始したエルダが小椋佳を音楽担当に迎え 作りはじめた3作目のミュージカルです。中絶のためにとなり町へ行こうとし ていた、ロック歌手とオペラ歌手のカップルが森の中で迷ってしまった。そこ は迷いの森と呼ばれ、心に迷いのあるものは出られなくなるという森である。 ロック歌手(渡辺忠士)は、人気が下がり目なところに子供が出来たなどという とファン離れで先が真っ暗なので子供を産むなといい、オペラ歌手(佐渡寧子) は、歌手としてチャンスを目の前にして中絶に同意したのだが、一方では母親 のいうままに歌手になったことに疑問を覚え、男との愛のためには歌手を辞め てもいいと思い始めていた。2人の溝が深まりかけた時、森の精や不思議な少 女(森野文子)と出会い、記憶のふちにある一遍のメロディを口にしたことで。 。。
歌やダンスはそれなりにいいのですが、ひとつのミュージカル作品としてのま とまりが無いというか、役者が何を表現していいのかわかっていないような気 がしました。レ・ミゼのコゼットをやった佐渡寧子やRENTの主役だった渡辺忠 士などいいキャストをそろえていますが、寒い場面が多々あるのが商業ミュー ジカルとして成功しているとは言えないところでしょう。もう少し小さい劇場 で、愛のあるパフォーマンスを見せてくれたら、面白いものになるかもしれま せん。

11月20日 TEAM EYE'S 「お墓よいとこ 一度はおいで」 池袋小劇場 2300円

時間つなぎのために、立ち寄っただけかも。スポーツ新聞の求人広告に応募し て、時給1100円で見習い坊主になった3人はいつも和尚におこられてばかり。 ある夜、墓地の見回り中に幽霊のような女を見つけるが、夫の墓参りに来たと いう。しかし実のところ彼女は自殺を図ろうとしていた。その後いろいろ。。。 ホラーなのかコメディなのか中途半端で、楽しむところを見出せませんでした。 タイトルや設定はいいとこ突いてると思うので作家のがんばりに期待したいで す。

TEAM EYE'S

11月20日 スイセイミュージカル「FAME」 東京芸術劇場・中 7500円

スイセイ・ミュージカル初めて見ました。1980年の映画作品をミュージカル化 したもので、日本ではスイセイ・ミュージカルが1997年から毎年上演している そうです。ニューヨークの芸術高校で、ブロードウェー目指してがんばっちゃ てる若者たちの話です。ストーリーはおしてしるべし内容です。
宝塚、四季、OSKなどさまざまなキャリアを持つ客演キャストを集めての公演で すが、見ごたえあるミュージカルを上演するのがいかに大変であるかが身に染 みるようなステージです。後半すこしナーバスすぎるという気もするけど、緊 迫感あふれながらも楽しい。ダンスシーンもかなりよいです。 後ろの客席では熱気が伝わるか心配ではありますが、今上演されているステージ 中で屈指の面白さだと思います。11月29日まで。

スイセイ・ミュージカル

耳を傷めて、機械音や低音が響くと痛いのだがミュージカルにも行ってしまう私。 それでもしばらくヘッドホンの使用は控えるつもりです。

11月21日 ズーズーC「明治8年名字必称令」 ミニホールFu 1000円

おそらく日本一の屁理屈劇団でしょう。明治8年に名字を必ず戸籍に明記しな ければならなくなり、役場の戸籍係の元には字が読めない人や、異常ともいえ るこだわりを持った人がやってくる。これは1人の親切な戸籍係の男の悲劇? である。ある日、寺の住職が名字の登録にやって来て、35年前に別れた育ての 母と同じ名字にしたいのだが忘れてしまったので、思い出すために話をさせて ほしいという。住職が7歳の時、育ての母の所に田中という男が来て父親になる という。少年は母を取られると思い、継父とはなじめない。ある冬の日、母が海 にもぐって魚を獲ってると見た少年は母がかわいそうになり、魚屋へ魚を買い に行くのだが金はなく盗もうとする。気がかわって魚を戻したところを猫に見 られ、たじろいだ所を魚屋に見つかり痛い目に合わされそうになる。そこへ田 中が現われ、子供の不始末は親の責任と助けにくるのだが、女スリも巻き込ん で変な展開となり、田中が魚屋を刺し、フンドシ姿で切腹することに。住職は 田中が悪いというのだが、戸籍係が聞くにはその少年、今の住職の方が悪く、 田中さんは被害者としか思えない。そこへもう1人名字の登録に来た男が怪我 だらけで、その男は昨日、住職とけんかをしている所へ戸籍係が入りボコボコ に傷めつけた男だった。その男も昨日、住職から名字と育ての母と田中の話を 聞かされ住職が許せなくなったのだった。はたして住職の屁理屈がまかり通っ てしまうのか。。。
ワンパターンといえばそれまでだけど、よくもそんなことを毎回毎回考えると 思えるような屁理屈の嵐。くだらないと取るか、話芸と取るか意見は分かれる と思いますが、私はここまでやれば芸術だよというべ。

今年の観劇200回達成!

11月21日 tea for you「ふたりでお茶を」 千本桜ホール 2200円

早く入場して良かった。めちゃ混みでした。能天気なタイトルですが内容はか なりディープなものでした。クローバーという名の喫茶店には、心に傷を持つ 自殺願望たちが常連として集まり二葉の会というサークルを作っている。たま たま待ち合わせで、その店を利用した女性も二股男と別れたことで絶望して いたので、サークルのことを知ることになり常連となっていく。一方、その女 性の幼なじみの女刑事が恋人の自殺発見者となってしまい、その恋人が持って いたマッチからクローバーの存在を知る。二葉の会は、奥さんに自殺された喫 茶店主がクローバーから作った毒薬をメンバに配り、誰かがこの薬を使ったら オレも死ぬと約束して、互いに死を拒ませるシステムでなり立っていた。刑事 の出現で自殺者が出たことを知ったメンバたちは、これまで励ましあって来た と思っていたことが、ただ逃避させていたに過ぎないと考えるようになり、自 殺願望を蘇らせてしまう。彼らは果たして死ぬのか???
はじまりは20代半ばと思われる女優さんが、小学生スタイルで現われて先が 思いやられたのですが、進むにつれて面白くなっていきました。本当に自殺を 考えるようなことは無い、元気な人達でしたが、山場とか結構恐かったです。 くまのきぐるみが暑そうでしたが、タップやジェスチャーいろいろ見せてくれ て、うまく和ませていたと思います。

11月23日 げんこつ団「ガスダム」 駅前劇場 2800円

会社関係の合唱演奏会の帰り、5時前に下北沢まで来てしまったために予定変更 して見てしまいました。初めてみましたが人気あるみたいですね。ビデオ映像 を多用したナンセンス・シュールけれどお笑い短編集です。同じ設定や仕掛け を使った話が2本づつあって、2本目をみるとき1本目の結末からなりゆきを 考えてると全然ちがってきたり、おちの裏切り方がうまいですね。ギャルがチ ーマー風の男にからまれて、助けにきたのがランジェリー戦隊で暴れまくった と思ったら、次は不良中年にからまれた中年夫人をホスト風色男が助けたり、 2人1役の心理コメディの後に、同じ2人1役で家庭荒廃物だったり。神経を 逆なでする度合いも相当なものです。女性劇団なのでクドサで有名な他劇団と は一味違いますが、この先が心配です。親御さんが泣きますよ。 でも、今日はお笑いを見るような気分ではなかったので少し後悔。

げんこつ団

11月24日 蜷川「パンドラの鐘」 シアターコクーン 8000円

なんとか入手できた平日の観劇です。遊眠社時代を知らない私としては、野田秀樹 に特別に思い入れはないので、他の演劇作品と同視点でしか見ないのですが、スケ ールが大きい。でも物語としての面白さはあまりなし。という感想です。博物館で ミイラや鐘を見て触発されて書いたといだけあって、鐘や棺桶に対する面白い書き 方はされていると思うのですが、人間に肉が無いような気がします。それでも本は 上としても、演技がほとんど気に入らなかったです。シーンをきれいにつくってい たとは思いますが、人物に人格を与えていない。勝村政信がかなり良かったとは思 うのですが、あとは小劇場でやってる大学生とかの方がまともな演劇やってるとし か思えない。

11月27日 星屑の会「次郎長漫遊記」 三鷹市芸術文化センター 3500円

スケジュールの都合で、三鷹公演のほうに行きました。遠かった。テレビでは見た ことあった星屑の会ですが、生でははじめてです。幕末の動乱期に、京都の公家か ら助勢を頼まれた清水の次郎長たちが、名古屋で博打に負け宿屋で金が届くのをま ってる間におこる騒動です。往年の迫力が無く身くるみ剥がされた次郎長一行は宿 屋のものたちにもわかってもらえず、偶然同じ宿に居合わせた宿敵黒駒勝蔵にも狙 われることに。囲いものになるのが嫌で、助けを求めてきた若い娘も、サイコロに 負けて取られてしまい、さてはてどんな活躍を見せてくれるのか。
お年寄りでも安心して見られる時代劇ですが、結末の間抜けさが、現代演劇の風潮 をわかってない人には納得いかないかもしれませんね。下北沢の感覚ではヌルイと いう意見が多くなるかもしれませんが、笑い、テンポ、意外性などバランス良い劇 にまとまっていたと思います。名古屋公演が無いのが残念。 ラサール石井のお腹を見て、私にもなんとかせにゃいかんと思いました。

11月27日 プロジェクト・ニュートラル「Merry X'mas In Africa」 千本桜ホール 2800円

初めてだと思うのですが、見たことあるような顔も。ラップダンスで始まり、モノ トーン衣装でかためた兄ちゃん姉ちゃん達がノリ重視で調子良く進めていきます。 けど内容は未来刑事ケインとタマキがハイテク犯罪に立ち向かうという内容で、け っこうシビアなものでした。人体発火事件がプラズマ発生可能性の高い時間・場所 を気象コンピュータをハッキングして入手した情報を元に行われた無差別テロだっ たり。バーチャルリアリティの新装置が自殺の原因になっていたり。脳が異常活性 するウィルスで人間以上の知能を持ってしまったチンパンジーが出来てしまったり。 観客にどう受け取られたかはさまざまかもしれませんが、表現方法の工夫はよくや ったといいたくなります。タイトルもセンスいいですね。ライトがすごかった。

11月28日 TSミュージカルファンデーション「忘れモノ 探しモノ」 スペースゼロ 5000円

なんだかよくわからないままに前売りを買ってしまったミュージカルです。謝珠栄 による作・振り付け・演出で1997年に初演された作品とのことです。ストーリーそ のものは2人だけで展開してしまい、淡白かなと思いますが、ダンスの振り付けは かなり見るものがあります。スピードで見せるダンスでないので迫力をダイレクト に感じるには至りませんが、物語の設定1950年代と、最近のブラックリズムを程よ く混ぜた感じでなかなかよかったです。個人的には斎藤レイのお色気にかなりやら れてしまったかも。虫嫌いの人はゾッとするかも。
1956年のニューヨーク、さびれた探偵をやってる男が自殺しようとしたところに、 見た目はちゃんとした男が入って来て、ここは私の部屋だという。次の日もその 男がやってきて、ここは自分の部屋だという。しかも昨日のやり取りを憶えてい ない。その男、ロシア人で医者だというのだが、ウェルニケ脳症で5年前の発病 以後の記憶を持てなくなっていたのだった。そしてこの部屋は5年前にそのロシ ア人が住んでいて、記憶をたよりに戻ってきたことがわかる。探偵は失われた5 年の記憶を彼のかわりに探しはじめ、医療ミスとそれを隠すために地方の病院 に閉じ込められていたことがわかる。ってのがストーリーなんだけど、2人の 男だけではミュージカルにならないためか、女性ダンサー7人が歌と踊りをたく さん披露。ただし役が、その部屋に住み着いているゴキブリ。ラストにはゴキブ リが40匹くらいになり。ゴキブリだらけー。

12月02日 ミスタースリムカンパニー「HEAT NIGHT」 千本桜ホール 3000円

もう平日でも満員。昭和30年代の人気歌手売り出しにからむヤクザと不良少年 の戦いを、面白くも、迫力たっぷり、あふれる熱気で演じてくれます。見ため はきれいじゃないけど、こころが透き通る思いです。 なんでこの時期ミュージカル強化月間だったかというと、ミスタースリムの公 演があるからというのが、けっこう大きな要因なんじゃよ。踊れーみなの衆。

ミスタースリムカンパニー

12月04日 おぅるでぃずシアター「Eden '99 壬生狼土方歳三編」 萬スタジオ 2000円

Edenシリーズものらしいですが、以前のものは見たことありません。維新軍と 戦いながら会津から函館へおちてゆく土方と、土方と行動を共にしようとする 人達、土方の首を追い求める人達の精神的な戦いを描いています。JACのHIJIKATA よりはお笑い要素があったけど、熱い場面では十分に見せてくれます。理屈的に は理解不能なところが多々ありますが、新しい時代のために古いものの精算をや りとげる意志にすがすがしさがありました。 文化的な演劇を愛する人には全くおすすめできない、アナクロ劇団ですが、かな り徹底してやってくれるところが愛おしさを感じずにはいれません。

Oldies Theater

12月04日 「UNFORGETTABLE -THE NAT KING COLE STORY-」 博品館劇場 8000円

ミュージカルというよりは、一人芝居+歌で、一人芝居はイッセー尾形風の 客席全体に語り掛けるような内容でした。1940〜50年代に活躍したジャズ・ ピアニスト/シンガー、NAT COLEの第一幕ではプライベートな一時を、第2 幕はスタジオライブのようすを扱っています。もちろんアメリカ人の話です が、ロンドンで作られた作品とのことです。 芝居と歌を演じたのがモンロー・ケント3世で、ミュージカルの役者なのに どうしてここまで歌えるの?という位聞かせてくれます。名曲を雰囲気出し て歌うだけで、ジャズの魂を振り絞ってというわけではなんだけど、表現力 豊かな歌に、なんじゃこれというショックを感じます。最近は日本でもミュ ージカル役者の音楽ステージが増えていますが、ここまで聞かせてくれるの かなと少し心配してしまいます。バンドの演奏だけでもチケット代の価値が あったと思います。 年配者を中心に7割程度の入りでしたが、6時か7時という開演時間が早す ぎでこれなかった人もいたのでは。フジテレビ軽部様ご一行は冠スポンサー だから自腹じゃないのかなー。

12月05日 プロジェクトナビ「新・十一人の少年」 トラム 3800円

かつての名作「十一人の少年」の姉妹編として1996年に発表されたものの再 演だそうです。演劇サークルの役者が公園で1人練習しているのを盲目の少 女が聞いていて、「その続きは?」と語りかけると、「物語の続きが作家の ワープロから、灰色盗賊団によって奪われてしまった。」という。想像力を 灰色盗賊団から取り戻すために、船出した11人の少年は、嵐が来るはずな のに何もおこらない海で途方にくれる。
作家の想像力がなくなって、物語の続きが書けなくなってしまったときに、 どうなるかっていう話だけど、北村想もネタ切れ状態で書いたのがこの作品 のような気がします。ところどころ気の効いた話も出てくるけど、行き場が 無さ過ぎる。理解できませんねこれは???

12月05日 FEVER DRAGON「JACK -白く震える季節-」 芸術劇場・小1 2800円

切り裂きJACK事件の再現が現代の東京でおこり、容疑は名外科医にかけら れた。彼は留学先のアメリカで凶悪犯罪者の心臓を移植され、死の淵から戻 って来た過去を持ち、生い立ちにも不幸の連続があった。普段は誠実で腕の いい医者がはたして切り裂きJACKなのか?
おもしろかった。もう少しリアリティを出す方向にもいってほしい、ハイレ ベルな劇団だけど、今回のは無茶なフィクションながらも、凶悪犯の元恋人 とか、脇役の設定がすばらしい。年2回公演ではもったない役者の魅力 あり。

FEVER DRAGON

12月08日 NODA MAP「パンドラの鐘」 世田谷パブリック 8000円

蜷川版から2週間おいての野田版です。作りは違うといっても同じ話を2回 目なので、吸収できた情報量は多かったと思います。理解の差を考慮しても、 NODA MAPの方がずっと良かったです。
堤真一と天海祐希の、これまでのキャリアを捨てた一人の役者としての演劇 にかなり感動です。その意味では予想通りの表現の域を出なかった、富田靖子 、古田新太、松尾スズキあたりはもの足りなさを感じました。誰にでもできる ことじゃないんで価値はあると思いますが、堤と天海が強烈すぎた。

NODA MAP

12月10日 G.O.A「緋色の花〜ひみつサーカス団殺人事件の秘密〜」 タイニイアリス 2300円

最近、たくさん公演をおこなっているG.O.Aです。謎の宝石泥棒怪盗サファイ アと、赤いサファイア”緋色の花”を家宝とする一家の戦い、警備を依頼さ れた刑事とその刑事が担当した吉展ちゃん誘拐殺人が絡み合った、サスペン ス活劇です。今回の作品だけですが、同じ場面の繰り返しが多く、やや劇世 界の広がりが無いような印象を持ちましたが、ほんとよくこれだけ芝居言葉 を書き連ねることができるもんだと感心しきってしまう言葉の大河。サーカ ス団のいきさつはこじつけっぽいと思いましたが、営利誘拐の原点を考え直 すというのは、無茶苦茶な事件が続発する現代社会の病根を探る意味でおも しろいと思いました。竹田佳子、旬だなー。

G.O.A

12月11日 娘の予感「零れる果実」 千本桜ホール 800円

第2回シアターコクーン戯曲賞を受賞した狩場直史と鈴江俊郎の作品で、上演 は蜷川幸雄と佐藤信の2ヴァージョンがなされました。私は見てませんが。 雑然とした部屋で、行方不明になってしまった住人の知人たちが次々に現われ 消え、やるせないやりとりをする内容です。過食症でいつも吐いてる女とか、 同じ歌ばかり歌うサークルとか変な素材を集めていますが、ほんとダラダラと 流れるだけの本なので、途中で飽きちゃう人多いです。私も90分過ぎ位から、 いつ終わるんだーと身が入らない状態で見ていました。大学生好みでない作 品への取り組みは評価したいけど、何を表現したらいいのかが超難しい(戯曲 としてなら文字づらの面白さがあるような気もする)作品なので、自分達の工 夫を見せて欲しかったような気もします。

娘の予感

12月11日 東宝「王様と私」 帝国劇場 12000円

ロジャース&ハマースタインの古典です。19世紀半ばのシャム(タイ)で王の 子供たちの家庭教師に雇われたイギリス人婦人が、権威主義にかたまった国 王の心をときほぐしながら、王国の独立維持に一役かう話です。一路真輝の ちょっとおどけたやくどころは面白いけど、現代人にとって何の意味がある かわかりかねます。子供がかわいければ、それで良い的な作りが目立ったの がいちばん不満な点かな。なんで高嶋なのかって、宝塚関係者だったんでした。

東宝

12月12日 南青山少女歌劇団「クリスマスジュリエット」 博品館劇場 4000円

ミュージカル強化月間で手当たり次第チケット買ったため、ついに南少までいく ことに。ストーリーは結成3年のヴォーカルグループ、ジュリエットがクリスマス ライブをしようとしているのにリーダーが3ヶ月行方不明、ライブ当日現われたリ ーダーに向かいメンバーたちは不満や、脱退を口にする。マネージャも後輩グルー プの方に力をいれて、ジュリエットのライブはどうなる?
今回のストーリーがアイドルちっくな話なので、劇やパフォーマンスもアイドル系 になってしまったのかもしれませんね。これまでのミュージカル作品は学校の事を 扱ったりしていたみたいで、見てないのでなんとも言えませんが、案外シビアなの が得意なのかもしれません。みんな精一杯やってる姿が良いです。 今日で退団のリーダー、久積絵夢は今年最も染みるミュージカルシンガーだったか もしれない。これからもいろいろな場で活躍してほしいものです。 近所の本屋での浜崎あゆみ握手会の行列もすごかった。

スペースクラフト

12月12日 ミュージカル座「アインシュタイン フォーリーズ」 六行会ホール 5000円

ミュージカル座の新作は、有名ミュージカルへの出演や音楽の仕事で有名な林 アキラを迎えてアインシュタインの一生を歌で綴りました。ハマナカトオルの 解説によれば、コンサート形式でつくったというだけあって主役が歌うウェイ トがとても高く、かなり過激な作りです。ユダヤ人迫害や戦争という重い出来 事も含みますが、アインシュタインが追い続けた光を、伊東恵里がひたすらコ ミカルに演じ、ソロ歌がシリアスなのが多い分、ダンスやコーラスでエンター テイメントを追求しています。 とにかく、濃いので休憩ありで2時間45分くらいですが、観客もかなり疲れます。 ダンスはまだ宝塚にはおよばないじょー。ファンにおこられても知りませんよ。

ミュージカル座

12月14日 つか「二代目はクリスチャン」 パルコ劇場 4500円

年に1回くらい、つかこうへい演出公演を見ようと、平日に行ってしまいました。 忘年会の余興大会だと思えば、許せなくもないけど、大多数の観客の期待は裏 切った作品でしょうね。でもたまには、はっきりつまらないと感じる演劇を見 せることを有名劇作家はするべきだと思うのです。なぜかというとうまい演劇 が多すぎるからです。おもしろい本がいとも簡単に書かれて、感動を誘う演技 が意外な人にも出来てしまう、そんな時代になりつつあります。技術を習得し やすい環境ができたということはあるでしょうが、やはりそれだけ多くの人が 本を書くのや、いろんなレッスンに励んでいる。そうかんたんには劇はできな いことを思い出すべきなのです。
それでも、 「国際会議で北朝鮮やパキスタンにバカにされる、役人の気持ちが解るか!!」 核心部分でこのセリフはないよ。

12月18日 JALOPY「HEPBURN」 ウッディーシアター中目黒 3500円

元々映画を作っていた塩田泰造が、閉館間近の名画座と自主製作映画に燃える 人達を描いた劇を書きました。ぴあフィルムフェスでグランプリを取った監督 が制作担当の友人の紹介で映画館の夜警のバイトをはじめた。映写係りも自主 映画では有名なカメラマンで、3人はこの映画館を拠点にじっくりと映画を作 ろうと意気投合するのだが、映画は嘘だと映画を嫌う2代めオーナーが閉館を 決める。3人は、閉館記念の映画を作ろうと言い出すが、本も役者も金も無い。 ある夜、客席から女性があらわれ、監督はインスピレーションを得て、人類の 文明が滅びて1軒の映画館と1組の男女だけが存在する物語を書き上げた。シナ リオがオーナーに破かれたり、監督がアルバイトくびになったりしたが、客席 から現われた女性と、名画ファンのタクシー運転手を役者として映画が完成す る。上映会の日、こないはずのオーナーが来ることになってしまい、彼らは オーナーを縛り上げて上映を続けようとしたのだが。。。
あんまり演劇っぽくない映画的雰囲気のする作品です。監督たちの映画に対す る愛情と熱意が、そうか映画や演劇が人に見せるものはこんなものなんだと再 認識させてくれます。劇を作る目的、観る目的を失いかけている人におすすめ です。映画館のスピーカー音がうまくできていました。

12月18日 tpt「令嬢ジュリー」 ベニサンピット 7000円

あんまり期待してなかったのですが、けっこう楽しめました。 スェーデンの文豪ストロングベリの1888年の作品で、日本でも俳優座などで何 回も上演されているとのことです。内容は共感できないけど、涙、鼻水だらだ らの若村麻由美は夢に見そうだなー。戯曲的にいかにもルヴォー好みの本だし 、向かいに観客の顔が見えないのがうれしい。 8割強位しか客が入っていなかったから、土日でもチケットあるかもしれませ んね。
伯爵令嬢ジュリーは婚約が破談になり、夏至祭りの浮かれもあって、下男をから かっていたのだが、はずみで寝てしまう。というより犯されしまったと言う方が 正しい。下男ジャンはしたたかな男で、2人で一緒にスイスに行ってホテルをや りましょうなどというのだが、伯爵が帰宅すると、一緒に家を出ようとしていた ジュリーを突き放し、下男に戻ってしまう。 それまでのお嬢様と下男という立場が逆転して、ジュリーはジャンに取りすがり、 「私に命令して。」と泣きわめくのだが、「自分は金で爵位を買って、おまえを 伯爵夫人にしてやる。」と言っていた勢いはなく、ジュリーにナイフを渡し「伯 爵家とあなたの名誉を守りなさい。」と静かに告げる。
古典を現代にどう楽しむかという事に関しては見本のようなステージでしたが 、100年前の古さは歴然としています。 それに、下男に犯され愛していないと言われて死んでしまうようなお譲様が今時 いるとも思えず。

12月19日 明学小劇場「ファルスついにて。」 千本桜ホール 0円

なんか都合があって本公演ができなくなり、短編集になってしまったようです。 2人か3人の10分間前後のが6本立てでした。古典ナンセンスな風味の「トランプ」 とか、深層願望を描いた「輪廻橋」が多少よかったかな。 日曜の昼なのに、観客2人だけ最少記録。がんばれ若者たちよ。

12月19日 宝塚花組「タンゴアルゼンチーノ、ザ・レヴュー'99」 1000days劇場 7000円

ことし1回だけの宝塚です。いつのまにかプログラムがオールカラーになって ました。タンゴアルゼンチーノはアルゼンチンから絵の勉強にパリに留学に来 ていた若者が、タンゴダンスパーティで、ドイツ貴族の妻になった平民出身の フランス女性と知り合い2人はだんだん愛し合うようになるのですが、生き別 れの弟がジゴロになっていて悪事を働いたり、第一次世界大戦が始まり離れ離 れになったりでうまくいきません。戦争が終わってパリはタンゴからジャズへ と音楽の流行が変わっていまい、彼女は時代の変化にのれないままにダンスホ ールの女給として働いています。ついに、収容所から戻った若者が現われ、2人 は失われた時間を取り戻すかのようにタンゴを踊ります。全体的に渋めです。 ミュージカル・アラベスクというのがなんなのかよー分かりませんが、あまり タンゴを踊るダンスシーンが多くなくて、主人公が画家だから仕方ないけど、 ちょっとひさしぶりで、のりが悪い私は不完全燃焼。 ザ・レヴューは群舞が多いダンスレヴューで満足。後半の鳥の話は突然世界が 変わっちゃって驚きました。こんなに金と人を使った舞台が今の時代に必要な のかとも思うのですが、見るとやっぱり元気が出るような気がします。日本に 女性がいるかぎり宝塚もあり続けるのでしょう。でも今日は男性客がかなりい たようです。

宝塚歌劇団

ミュージカル強化月間おわり。1ヶ月で大小9本。率直 に面白かったのは「FAME」かなと思いますが、「アインシュタイン・フォーリ ーズ」も作品の質は輸入物に劣らない、いや有名作品に匹敵するでしょ。 といってもミュージカルファンは深ーい人多いですし、もっぱらロンドン・ニュ ーヨークを鑑賞の本番、日本を予習としている人もいて、私にはそこまで極める ことはできないので、これからも小劇場演劇を趣味の代表としてゆくことでしょ う。また気が向いたら強化月間やってみたいと思います。

12月25日 1999QUEST「色彩組曲MAX〜最終楽章ペンタゴンの進化論」 ザ・ポケット 2700円

1992年池袋演劇祭グランプリ作品の3回目の再演で、この劇団名としては最後の 公演となってしまうようです。いつどこかわからない世界で、いくつもの勢力 に別れた人間たちが戦っている。彼らは地球生命のエネルギーの根元として光 にこだわった生き方をしていて、特に色が勢力の力や将来を左右すると考えて いる。破壊を司る黒、癒しと安らぎを司る白を求めて王たちが火花を散らす。
簡単には説明つかないのでここらで説明終わり。physicalにはいろいろ見どこ ろありますね。トクナガヒデカツのサルぶりもなかなかですが、見ていて震え のくる所も何回かありました。でもストーリーはいまひとつ弱いです。パロデ ィで茶を濁すところ多く、終盤のオリジナルで勝負するところも、観客の思考 をひきずりこむほどの展開はみられず、芝居らしいことばが並べられたという 観はぬぐえません。しかし愛敬のある役者が多いので、気ばりすぎずに見て楽 しむのが正しい接し方なんでしょう。 34人も出ていて、それぞれに見せ場があるって作りもすごい。

1999QUEST

12月26日 OUTLAW「日比野又三郎旅館」 千本桜ホール 2000円

旗揚げ公演で、満員でした、ひさしぶりの満員桟敷はつらかった。 都会の片隅に、選ばれた人にしか見えない旅館があり、下着の企画をしている サラリーマンが招待される。家族も呼ばれるのだが、お互いに名乗ってはなら ず、家族には自分が自分に見えないらしい。この家族、高3の娘と高1の息子 が親離れしようとしていて、最近親子関係がうまくいってなく、父親も仕事が 冴えなくなっていた。しかし旅館の人達のいきなはからいと、ゲームなんかで 家族復活。父親の部下の体育会系や、旅館のひまわりなど、気持ち悪さも突き 抜け。ドタバタだけど面白かった。紺田タカシ、山田微子らのプロ意識あふれ る芝居もグッド。

OUTLAW

12月26日 原サチコ「鳥と人形〜私が愛に濡れるとき」 GALLERY LE DECO 2800円

毎日多少内容が違うようです。テーブル、ひも、ゴムベルト、水の入ったたらい、 中年男の人形、そんなものが使われるパフォーマンスです。これが現代芸術なの かもしれませんが、見る側が刺激を求めすぎる体質を反省しないと創造的なもの が見えてこないような気がして、難しいですね。ともかく見てよかったとは思い ます。

12月28日 東京実験室劇場「天国の十二人」ジェルスホール 1200円

天国の陪審員たちが、自殺した少年を無罪として天国に入れるか、有罪として 地獄に落とすかを議論する、あれのバリエーションです。最初みんな自殺はい かんと有罪を主張していたものが、無罪派の論理的ディベートと有罪派が感情 論でしか反論できないことから結局は無罪に。人間の裁判における陪審でなく 死んだ人が罪を論じるというところは面白かったけど、公開実験とまで名うっ た公演で既存劇の焼き直しは、ちょっと期待はずれでした。でも劇はスリリング でなかなか良くできていましたよ。

12月29日 1mg シークレットライブ アルテパティオ 0円

招待状を送ってくれたので、でかけました。出し物は上と同じ。悪の夫を突き 飛ばして、トラックにはねさせた女が有罪か無罪かというもの。最初全員が 無罪だと言っていたのが、1人のがんばりで有罪派を次第に増やしていく。 殺意の有無が焦点となったとき、ピザの出前で一件落着。百聞は一見にしかず。 民主的社会維持制度の理想と現実を見せるおもしろい作品ではありますが、 若い人がやるほど、シビアになっていくんでしょうね。 少なくとも、情報が錯綜する現代日本では陪審制がうまく運用されるとは思え ません。市民一人一人が社会と個人を守ることに責任を持つべきだとは思い ますが。

1mg(new URL)

12月30日 クレイジーキャメル&妖々's 「世紀末レビューショー」 タイニイアリス 2800円

ぴあで怪しそうなのを見つけたので行ってみました。ベリーダンスのショーで した。北アフリカからアラビアにかけてのくねくね踊るやつです。10人出演し ましたが、ソロの演目が多く、剣を持って踊るのとかうまかったです。それな りにセクシーで、おやじ客(わたしもか?)も満足していた模様です。日本や西 欧のリズム、ステップと異なり、ほんと難しいです。 でも日本人が踊るとどちらかというとタイやマレーシア風に見えてしまいます。

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