1998年の演劇

最終更新 1998/03/29


97年からは公演ごとにNAMEアンカーをつけてあります。個別にリンクを作成したいときは、
A HREF=http://www.gene.or.jp/~take/play98.htm#p98-01のようにどうぞ。

1月10日 DON'T DISTURB 「5」 銀座小劇場 2500円

ホテルの部屋を舞台にした、話が関係しあう密接型オムニバスです。1つめは会社の研修の 話。誰かが会社を辞めるというまで終らないといわれる研修に参加している若者と中年男が 毎夜書かされるレポートの今日の課題「5日めと私」にとりくんでいる。若者はもう書く事 がなくなっているが、中年男の結婚してるのに女性とセックスできない自分についてのレポ ートに感激して、辞職を決意する。しかし中年男は人事部とグルだったという話。2つめは 女性ポルノ作家がポルノを書くのがいやになって、姉妹の小説を書く話。姉は全くしゃべら ず、自ら何も行動しようとしない生活能力の無い人で、妹は結婚をあきらめて姉の面倒を みようとする。この妹は作家の願望がつくりだしたキャラクターで、どんどんのめりこんで ゆくが、姉でゆきづまる。決着部分がよくわかんなかったど少し難しい話でした。その他は 省略だけど、よくわからんのが黒タイツ2人組の秘密警察。結局爆弾はどうなったんだー。
富良野塾出身の役者と、つか系作家の秦建日子による公演ということで、力入った芝居だろ うと予想はしてましたが、シモネタでしかも重いです。あまり短編らしいオチでないので、 ストーリー重視の人には納得いかないかも。

1月15日 ベターポーヅ 「ボインについて、私が知っている二、三の事柄」アゴラ劇場 2500円

14日の公演が入りきれないほど客が来たというので、大雪の中早く出かけたのですが、さす がに満員にはならなかったようです。5つの短編でした。「二人の銀行員の妻」はりんご銀 行の頭取婦人がみどり銀行の頭取婦人を招待したが、やってきたのは食欲旺盛な謎の生物だ った話。「果実におぼれて」はほっぺたにいちごがついている少女に近づく、果物好きな男 の話。「靴箱いっぱいのラブレター」は靴の箱に入れた古いラブレターの発見と、謎の女が 置いていった箱の謎の話。「タバコとボイン」は核戦争で1本だけ残ったタバコと楊枝を奪 いあう話。「美しい日々」はある婦人が教会の監獄から逃げてきた神父とシスターを山荘に 泊める話。どれも退廃的な結末でしたが、「美しい日々」が一番いやになっちゃう話でした。 劇の合間に絵画のスライドがあったんだけど、これがまたほとんど病気。加藤直美を目の前 で見れたのは良かったけど、内容的にはあんまり好みではないかも。

1月17日 Nest 「Circulation Module」 パークタワーホール 3500円

はじめ15日に行こうと思っていたんだけど、大雪で帰れなくなりそうだったので延期しました。 たぶん見る場所によっても印象違うと思うので、私が見た場所をいっておくと、メインスクリ ーンに向かって右の、もっともスクリーン寄りの1階席で、ミキサーの後ろです。情報量多い から、どうせ全部は見切れないので、3階はやめて、ダンサーの足首の見えるポイントを狙い ました。映像、音、ダンスを別々にとらえてもしょうがないので、全体的な印象ですが、一見 コンピュータを駆使したディジタル指向なコンセプトかと思うのですが、実は人間の手作りで 極めてアナログな世界なんだという気がしました。15/16日のライブパーティに出た人の方が理 解できてるのでは。(そのうち書き足します)

1月18日 ぼのぼ 「活弁(くぁつべん) 行違悲恋姫(ヂュリエッタ)」千本桜ホール 2500円

今月はあちこちで、「ロミオとジュリエット」の公演をやってるけど、これが一番馬鹿で笑える でしょう。でもこれは「ロミオとジュリエット」そのものではなく、大正時代の浅草で無声活動 写真に声を与える弁士の物語です。上演される活動写真が「ロミオとジュリエット」なのですが、 ロミオはスキンヘッドで歌舞伎がかった芝居をする男が演じ、ジュリエットは13歳のはずなの に40を超えた大年増な女優が演じています。とにかくこの劇中映画「ロミオとジュリエット」 が抱腹絶倒もの。今思い出しても笑えます。一方活動写真館の2代目の女弁士と、人気若手弁士 も相思相愛ながら、男にはいいなづけがいたりしてなさぬ恋に苦しんでいます。その他、チンド ン屋の起源となった宣伝屋たちの話もからんで、ほんとよくできた劇でした。千本桜ホールでの お笑いものといては、ひさびさのヒットかも。

1月24日 「ロミオとジュリエット」さいたま芸術劇場 8000円

チケット買えなかったのですが、譲ってくれる人がいたので見ることができました。13年間で シェークスピアの全37作品を上演するという大プロジェクトの第一回公演だそうで、企画委員 も勤める蜷川幸雄の演出です。ホリプロが制作で加わっているということですが、最近演劇に積 極的ですね。牢屋のような格子組の舞台で、あまり多くの道具類をつかわないシンプルなつくり でしたが、ストーリーや台詞はかなりスタンダードでシェークスピア劇らしい演出でした。前半 は登場人物も多くてテンポいいんですが、ラストの墓場シーンは、入り込んでしまった人にはい いかもしれないけど、私には少し遅く感じました。もうすこし多く台詞を書かなかったシェーク スピアに原因があるのかも。ロミオを演じた大沢たかおですが良かったです。もうちょっと声に 芯があると聞きやすいんですが、苦悩する15歳をスリリングに演じました。大沢たかおがやさ 男だけに、ジュリエットの佐藤藍子がもう少し繊細だったらという気がします。「おおロミオ、 どおしてあなたはロミオなの。」も元気がありすぎかも。でも舞台慣れした役者を使ったら何も 面白くなくなったと思うので、企画的には成功したと思います。とくかく良くやった佐藤藍子で す。客層が若いほうに集中するかとおもってましたが中高年の方もけっこう入っていました。キ ャストと宣伝による人集めをしなければ、劇場立地の不利をカバーできないかもしれないのが、 これからの課題でしょうね。

1月24日 塩沢真理子 「ウズメ」千本桜ホール 2000円

よく知らない人ですが、唐組などで活躍されてるようです。高天原の裏話的なところをやりたかっ たようですが、ちょっと話の面白味が足りなかった気がします。相手役の男優ももう少し自信のあ る演技をしてほしかったです。ミュージカルっぽいダンスは楽しめました。

ホームページはこちら

1月31日 シャーウッド 「トランス」アートスペースプロット 1200円

トランスにつられて出かけてしまいましたが、出演も観客も若い人ばかりでした。有名作品なので 内容は省略します。まだ一般客から金をとって見せるというほどの出来ではないけど、ところどころ 見所はありました。初日で、女優さん最初震えてるのがわかるくらいでしたが、だんだん落ち着いて いって、いい目つきしてました。全体的にせりふは良く入ってるけど、動きをもうすこし作り込んだ ほうがよかったと思います。それにスモーク出しすぎ。

帰りに新宿駅に怪しいマント姿の老人がいるとおもったら天本英世だった。 若いねえちゃんと一緒だった。

4月に、内野聖陽、奥山佳恵、三宅弘城、演出鈴木裕美でトランスやるみたい ですね。

2月1日 「ロマンチックコメディ」パルコ劇場 7350円

BERNARD SLADEというカナダ人作家の1979年作品の翻訳公演です。ブロードウェーの劇作家ジェイソン (西岡徳馬)の結婚式の夜、作家志望の女フィービー(浅野温子)がやってきた。2人は仕事のパート ナーとしては苦いスタートを切るが、男と女として夫婦以上に理解しあえる関係をきづいていった。し かし10年目に仕事上のゆきづまりと、ジェイソンの浮気により決別の時がやってきたが。。。
芝居としては西岡徳馬と高畑淳子のやりとりが面白かったけど、浅野温子のひさしぶりにくだけた役柄 も楽しめました。良くできた劇だと思うけど、最初とばしすぎて(かなり笑える)、途中の理屈っぽい ところが耐えねばならんというところでしょうか。劇作家の話ということで、マニアックな内容もあり、 演劇好きにはそこそこ楽しめます。

2月11日 小川範子「不真面目な17歳」 シアタートラム 4000円

フランスでHIV感染した女の子の実話にもとづく1人芝居です。拒食症の治療のため療養所へ入院し た17歳の女の子が、29歳の元麻薬中毒の詩人に惹かれ、うかれたままに性交渉(古い)を持ったば かりにHIV感染してしまい、療養所を追い出された男と自暴自棄な暮らしをするのだが、男が麻薬で 逮捕されたのと、いままで男が書いた詩だと思っていたのが、有名な歌手の詩であることを知ったこと により、自分のために前向きに生きようと思い直すという話です。「まっしろな嘘」「シェルブールの 雨傘」とこの「不真面目な17歳」が舞台の小川範子を見た機会なのですが、今回のは重い!セックス の描写とか演出も大胆だったんですが、確実に訪れるであろう死と向き合う少女の心情というものが、 とにかく重く、泣けるような結末じゃないんだけど、終演後も観客は口数少なく帰っていくという感じ でした。演出がTV屋さんということでビジュアル的にはとてもきれいな舞台でした。
2200円の小川範子マウスパッド買ってしまいました。無駄づかいばっかり。

2月11日 扉座サテライト「LOVE LOVE LOVE」 千本桜ホール 2800円

扉座は本公演は見たことなくて、ユニット公演PGQと、今回の研究生の公演だけです。初日でしたが 100人くらいで、まだ桟敷席が身動きできないというほどではなかったです。混むのは予想できたので 早めにいって椅子席にしました。バレンタイン公演ということもあり、恋愛オムニバスですが、なぜか ロミオとジュリエットの名場面もいくつか入っていて、やっぱ流行かな。どれもそれなりに面白かった ですが、変な女が激しいアプローチをしてくる「タンスの女」が一番面白かったです。福井出身の男と ラジオDJを演じた人がなかなか有望だと思います。個人的にはタンスの女を演じた大きな女性が好み です。

2月13日 ベルリン・ドイツ・オペラ「ばらの騎士」 神奈川県民ホール 8000円

知り合いの付き合いでいったけど、休憩込みで4時間もあって、やっぱり時々眠かったです。R・シュトラウス の歌劇だそうですが見てもストーリーわかりません(調べたら追加しておきますが恋愛物のような)。 音楽的には普通のクラシックなんだけど、舞台美術や劇演出は現代的で蜷川幸雄のシェークスピア劇み たいな感じでした。ドイツでも最近のオペラはこんな風なんでしょうか。ともかく予想していたのとは ひと味違うものでした。

2月15日 T.P.T「テレーズ・ラカン」 ベニサンピット 6000円

初演は見てないので初めて見ました。内容は公演が終ってから載せます。(ソースの表示で見れます)
教訓という感じではないですが、テイスト的にはシェークスピアに近いものを感じます。最近ロミオとジュ リエットばかり見ているので、毒とナイフと男と女ってのが何かねー、またかという気になってしまいます。 若村麻由美の舞台は初めてみましたが、良いキャスティングをしたと思います。個人的にはもっと暗くて透 明感のある役者のほうがテレーズには適していると思うけど、激しさのかげにある華やかさが、この芝居の 救いになっていました。1ヶ月以上の公演でボロボロになるでしょうが、次に何をやってくれるか楽しみに なります。堤真一はかっこいいけど、作品が作品だけに女性ファンにはヒェーという印象かもしれません。
小さい劇場でないとこれだけの濃密感を表現できないと思うけど、ほんとのめりこんでしまいます。しかし、 こんな濃い劇ばかり見てると絶対変になってしまうと思うので、こういうのは半年に1本で十分です。
渡辺えり子と坂手洋二という怪しい2人組が客席にいましたが、劇作家というのは昼間のほうが暇なんで しょうかね。

2月21日 ハーフムーンシアターカンパニー「リア王の娘たち」 劇小劇場 3500円

1987年に英国で集団創作された作品だそうです。3人の娘、乳母、道化の5人が登場人物で、リア王と妃の まねを道化が演じるというスタイルです。ストーリーはあるようでないようで、難しかったです。1人2人 と出てきて、リア王のこと、母親のこと、自分の境遇のことを語る、いかにもアトリエ公演的な作品でした。 もうすこしパロディ的なくだけた劇を期待していたのですが、静かで淡白だったので、時々寝てしまいまし た。申し訳ない。とにかく悩んでいたのはリア王だけではないということでしょうか。
道化を演じた元音楽座の宮本順子、パンフの写真とは別人だぞ。

2月22日 じゃがいも星人「のるかそるか」 千本桜ホール 2300円

旗揚げ公演ということですが、役者はそれなりにキャリアのある20代なかばから後半くらいだったと思い ます。娘の手術費用をつくるために根はまじめな男が銀行強盗をする話で、まあコメディでしょうね。逃走 に失敗して銀行にたてこもることになり、犯人と人質はだんだんと和気あいあいとなり、主犯の自首とひき かえに、2000万円の小切手を手伝いの若者が娘のところへ届けるという風に話はまとまるのですが、人を撃 ちたい狙撃隊員がいたばっかりに。。。笑えるし、感情も高揚させられるし、なにより退屈しないうまくで きた劇でした。ときどきぼそっと発言する牧師がおかしかったし、女子行員2人の対照的な役柄もうまく作 られてたなと思います。本としては、あんまり新しさや深みはないけれど、これくらい劇としてこなれてい ると満足できます。銀行のセットとか、清酒くまごろしとか、作り物がかわいかったです。

2月28日 力の加減「鋼」 千本桜ホール 2000円

現代日本のどこかに、松平(まつひら)という殿様がいる岡島町という町があり、毎年村おこし企画として いろいろやるのだが、今年は宇宙へ有人ロケットを飛ばそうとしている。ロケットはふだんはボルトなどの 部品を作っている町工場で作られ、町の人気者「そっくりさん」が乗り込んだ。当然そんなロケットは飛ば ず、「そっくりさん」は爆死。その他、町工場と松平の殿様、東京で声優をしている美咲などなどの力抜け ナンセンスストーリーの数々。ほんとしょうもない内容だけど、殿様の取材に来た記者が、インド人につか まって象を繋がれてしまう所が一番おかしかった。第3回公演ということもあり、ばかばかしさにも磨きが かかってきた。東京工業大学出身の劇団ということもあるが、ベターポーヅとくらべると、やはり理系のテ イストを感じる。現代科学を一応信奉している人にとっては、甚だナンセンスなのである。でもRPGは安直だ ったかな。ところで「鋼」というのは町工場の娘の名前だったのでした。

オフィス加減ページ

3月7日 STRAYDOG「皆殺しの天使」 タイニイ・アリス 2800円

ここは初めてみました。主に映画の仕事をしている森岡利行(「チンピラ」「鬼火」の脚本など)が主宰する 劇団の若手公演で、観客も多数入ってました。映画監督を自称する男(この劇の作者でもある酒井健太郎) が下町にやってきて、役者のオーディションをするというが、実は詐欺師である。やくざに追われる中国人 女(川端良香)を助けるが、抗争にまきこまれていく。。。 一応ストーリーはあるんだけど、演劇としてはちょっと雑だったんじゃないでしょうか。ソープ嬢の過激な 会話とか、俳優養成所とか所々笑えるとこはあったけど、演劇の本質としての面白さを追求してなくて、ゴ シップ的なことばかりを集めた感じで、ちょっとさびしかったです。でも「青梅国際マラソン」 「阿蘇国際マラソン」の「こ」区切りは苦笑してしまいました。漫才とかダンスもあってバラエティ という面ではもりだくさんだったです。役者では川端良香(みたことないけどNTV「サービス」出演中)が少し 抜き出ているかなと思います。

3月7日 指輪ホテル「フタナリアゲハ」 グローブ座 3500円

指輪ホテルは3回目ですが、単独公演は初めてです。女の子たちの学校みたいな集まりでの感覚と成長を表現 したようなのですが、既存言語以外のせりふが多くて(ふつうの日本語のせりふは半分以下では)、悲しいかな 理解できません。せりふはわかんなかったけど、美術、衣装、生オーケストラによる音楽はすごかったです。 感動とかじゃないんだけど、「なんでこんなこと思い着くんだ!」という恐ろしさを感じます。
さりゆちゃん鳥の絵をありがとう。

終演後、羊屋白玉、坂手洋二(燐光群)、飴屋法水(動物堂)、島次郎(舞台美術家) によるトークショーってのがあったんだけど、おじさん3人と一応若い女性1人ってのが無理があったみた いで、かみあってませんでしたね。でも私もこの話で、舞台が廃船として作られているがはじめて気がつき ました。

指輪ホテルのページ

3月8日 口遊階級「空が止まって見えた」 pamplemousse 1800円

シアターガイドの紹介がちょっと気になったので、2日連続で新宿まで足を運んでしまいました。フロアのまん なかにステージがあって、まわりに客席というつくりで40人弱くらいの客がお互いに顔を合わせながら鑑賞す ることとなってしまいました。抽象パフォーマンスと劇が合わさったような内容で、3人がステージの周囲を時 々何か呟きながら歩きまわっていて、中央では別の6人が2〜3人づつかわるがわる、ひどく日常的な会話や非 現実的な会話を交わすというスタイルです。不思議で奇麗な世界なんだけど、詩的な言葉が意味的にどれだけ刺 激があるかというと、ちょっと??? 何もしゃべない女に語り掛ける男の言葉はなかなかよかったかな。言葉の 音とか、ゆったりとした動き、マイルドなBGMは心地よいんだけど、ずっと心地よいままというのは眠くなっ てしまいます。

3月8日 レミントンハミントン「リライト」 東演パラータ 1200円

他の劇団と勘違いして出かけたのですが、明治学院大学の連中で、千本桜で何回か見た顔でした。 (劇団の人からメールをもらって亜細亜大や国学院大の人もいるそうです。) 愛媛の別荘を 舞台とした作家ホラーミステリー?なんだろうな。女流童話作家が作品仕上げのために、すでに亡くなった作家 の別荘を借りて仕事をしようとするのだが、頭痛で倒れてしまう。担当編集者とか、別の有名老作家の秘書とか は、亡くなった作家が大好きだったみかんを使って作家の霊を呼び出そうとする。編集者の男は童話の登場人物 のような少女をみつけるが、人間ではないらしい。老作家の秘書によると少女は「ものを書く心」であり、作家 に乗り移り良い作品を生み出すことができるらしい。「ものを書く心」をめぐって人々の争いがおこる。。。
メルヘンチックだけど基本アイデアはいいし、肝心な場面の演劇としての見せ場もちゃんとしていて、今週もっ とも演劇らしい演劇でした。大勢舞台に出ているときの立ち位置が絵に描いたようなバランスで、結構気を使っ て、手間暇かけて作られている劇ではないかと思います。後半スリリングで良かったです。

3月21日 RUPプロデュース「新幕末純情伝」 シアターコクーン 7350円

つかこうへいオールスター顔見せ興行というぐらいなんでキャストは贅沢だけど、なんかつか芝居じゃないよう な気がします。演出岡村俊一というのもあまり聞かない名前だけど、シアターガイドの記事によるとプロデュー サが本業で、つか作品を商業的に成り立たせようとしているらしいです。役者(特に筧利夫)を見に来た人には 満足かもしれないけど、「キル」や「夜会」と同じステージでTMRやられても。。。でもどんなことでもやる のがプロの役者なんだろうな。藤谷美和子は結構いい場面もあったと思います。以下ソースの表示であらすじが 見えます。

3月22日 展覧会のA「その時ぼくはコインを空高く投げた・・・」 アゴラ劇場 2200円

大阪の劇団だけど標準語でした。2人の男が銀行強盗をするために練習をしていたのを隣部屋の女子銀行員に聞 かれてしまい、銀行から強盗事件の訓練を手伝うように依頼されてしまいます。しかたがないので劇団で強盗物 の演劇をやるところだったということにするのですが、支店長とかオールドミスの行員とかが乗気になって、だ んだんエスカレートしてきます。強盗演習の2日前、リアリティとは何か、嘘とは何かを追求しはじめたメンバ ーは、予定日より早い明日に強盗を決行し、1人だけが逃げられるストーリーを作り上げるのですが。。。
1997年劇作家協会優秀新人賞というだけあって後半の演劇的な構成はよくできていました。新人賞ってもそんな に若くないはずだけど。リアリティとは真実ではなく、あくまで真実っぽいということであるということにこだ わった、惰性で生きる現代人の盲点をついた、するどい狙いを持った作品です。でもお笑いのセンスもいいので、 前半のお笑いを楽しんだ人には後半は重かったかもしれません。客演が多かったみたいですが個性があっておも ろい役者がそろってました。作演出の田中守幸もはげ行員で出てたのね。

展覧会のAのページ

3月22日 AH笑市民COMPANY「アキラの伝説」 千本桜ホール 1200円

第2回公演とのことですが、初めてみました。まだかなり若い(20歳くらいか)人たちの劇団です。歌手志望 の男が自殺して、その葬儀に集まった友人達のやりとりを描いたものですが、場面の半分くらいは素朴でいいか んじ、半分はもうちょっとなんとかしてくれよって感じでした。駄洒落類がことごとくすべっていたのは、ある 程度狙ってやってたと思うんだけど、本当に伝えたい言葉(いわゆる臭い台詞)を表現仕切れてないのは役者の 責任だろうな。テキストも20歳くらいの劇としては渋すぎるし、なんとなくやりたいこともわかるんだけど、 あの役者ならもう少し明るくて動きのある作品のほうがいいと思います。勝手なこと言ってすみません。女の子 2人はなかなかキュートでした。最後葬儀場でみんなで万歳というのはナイス。

3月28日 秦建日子プロデュース「Illusion」 モリエール 2800円

FICTIONの役者を中心にしての2回目の公演です。「おまえと一緒にいると安心できる。」と同じせりふで次々と 女を口説く男が自殺した。つきあっていた3人の女性のうちもっとも愛されていたのは誰なのか、はたまた平等な 愛なのか。暗転の多い断片的な構成で、話のつながりとかをあまりきれいに作ってないんだけど、場面場面の演技 で見せる劇でした。でもなー、ちょっと淡白かも。人間的にディープなものを作ろうといういうのは大賛成だけど ストーリーは重要だよ、やっぱり。

3月28日 劇団芸能一家「真夜中のパーティー」 千本桜ホール 2000円

男組と女組べつべつの公演のうち女組の公演を見ました。超満員でぎゅうぎゅうの桟敷席はつらすぎ。マート・ク ローリーという人の作品で、NYのゲイ仲間の誕生日パーティの一夜を描いた話です。パーティ会場であるアパー トにメンバーがあつまりつつあるとき、ホストのカレッジ時代のルームメイトで同性愛者でない男が訪ねてきた。 はじめは普通の友人の集まりを装うが、やはり同性愛者たちであることがバレてしまい険悪な状況となる。精神的 に錯乱気味となったホストの男はメンバーに最愛の人に電話をかけて愛してると告げるゲームを提案する。昔のル ームメイトも実は同性愛の気があると思い込んでいたのだが、彼は妻に愛を告げホストの男は敗北感にうちひしが れる。女性の役者が同性愛の男を演じるというなかなか変な趣向で、おもしろかったです。ものすごく台詞が多く て、アメリカ物らしい必要な言葉は省略しない会話がくりひろがれていきます。ほんとよくあれだけたくさんの台 詞を憶えたもんだと感心していまいます。エモリーを演じた土居恵子が男らしくない演技だったけど好演でした。

後藤象院のページ

パート2へ


もどる
take@gene.ne.jp