1996年の演劇感想

最終更新日96/12/30


個人WWWを開いた9月以前がいいかげんなんですけど、 前半も暇があったら追加しておきます。

1月21日 Zinjanthropusboisei 「Dots」 青山円形劇場 2500円

真っ白なステージに真っ白な衣装、そこにだんだんと赤い点(シール)を 貼ってゆくという変な劇です。私としてはこういう抽象的な演劇はとて も好きです。

1月27日 珍しいキノコ舞踏団 「もうお陽さまなんか出なくてもかまわない。」 テアトルフィンテ 2500円

テアトルフォンテがとても遠かった。

1月28日 エイプリルハウス 「SO LONG」 千本桜ホール ?円

サブタイトルが「やさしい悪夢にうなされるあなたへ」とあるように夢 の中のような話しです。やや宗教じみてもいるのですが、うーむ、とに かく一般うけする内容ではないです。

2月12日 メッセンジャープロジェクト 「スナフキンの手紙」 千本桜ホール ?円

ほとんど第三舞台の公演と同じですが、役者の力の差はいかんともしが たいです。できれば2場面を演じる空間があればよいのでしょうけど千 本桜では、ステージを分割して使うほど広くないので演出に工夫が必要 かもしれません。でも「スナフキンの手紙」は小劇場でも十分楽しめる 本ですね。
沈没旅行の本でおもしろいのがあったので紹介します。蔵前仁一著「旅 ときどき沈没」本の雑誌社(ISBN4-938463-38-5)

2月17日 劇団SOAP 「ラブリーでセクシー」 アルテパティオ 1500円

すいません。チケット半券や配役表はあるのですが、内容はおもいだせません。

2月18日 Girlie Company 「Girlie Show」 千本桜ホール ?円

すいません。チケット半券や配役表はあるのですが、内容はおもいだせません。

3月2日 音楽座 「マドモアゼル モーツァルト」 青山劇場 8000円

音楽座は初めてにして最後の観劇となってしまいました。言葉や文章では 表現できないのですが、すごいステージでした。

3月3日 チャペルペララーズ 「クガニムイ」 千本桜ホール ?円

クガニムイという名の塔を建てる人々の話で、塔は人間の欲望を象徴していた ような記憶がありますが、詳しいことは忘れてしまいました。

3月9日 宝塚星組 「剣と恋と虹と/ジュビレーション」 東京宝塚劇場 3500円

シラノ.ド.ベルジュラックをもとにした洋物ですが、そこそこの作品だと 思います。ジュビレーションは未来的な雰囲気で、ダンスもかなり新しか ったと思います。前作「国境のない地図」が異色作品だったので、今回は それに比べてインパクトが弱かったかもしれません。

3月10日 オンリーワンシアター 「10000ピースのミルクパズル」 千本桜ホール

すいません。チケット半券や配役表はあるのですが、内容はおもいだせません。

3月17日 !OJO! 「88」 駒場アゴラ劇場 2500円

すいません。チケット半券や配役表はあるのですが、内容はおもいだせません。

3月30日 燐光群 「夜光るもの」 相鉄本多劇場 ?円

小泉八雲シリーズです。「神々の国の首都」が八雲の松江(?)生活のはじまりと 日本人とのつきあいを扱った人物劇の要素が強かったのに対し、今回の作品は 「怪談」の元となったオカルトとの出会いを、史実に囚われすぎることなく、 物語風にえがいたもので、わかりやすくておもしろかったと思います。いつも ながら演技もうまいですよね。

3月30日 ロマンチカ 「悪徳の栄え 美徳の不幸」 シアターアプル ?円

退廃した貴族階級のアブノーマルな娯楽をえがいた話です。こんなひどい話、いままで みたことない。人間の価値観や良識というものはやはり教育によるもので、人間の本質 は欲望に支配されたものなのだろうか。

4月7日 北区つかこうへい劇団 「切腹カンパニー/君を感じる時」 シアターX 2000円

4月14日 宝塚花組 「花は花なり/ハイペリオン」 東京宝塚劇場 3500円

4月?日 劇団THEザ座 「日暮麗子探偵事務所」 千本桜ホール 1500円

すいません。チケット半券や配役表はあるのですが、内容はおもいだせません。

4月20日 NODA MAP 「TABOO」 シアターコクーン 7000円

4月21日 北区つかこうへい劇団 「寝盗られ宗介」 北とぴあ 2000円

5月18日 ナイロン100℃ 「下北ビートニクス」 シアターアプル 4200円

下北ビートニクスという劇団の公演における制作スタッフの苦労の話です。 客演では、永作博美はいつもの調子(子供っぽいせりふはまだまだかわいいかもしれない)、 古田新太はやはりうまい。 おもしろいんだけど長い。3時間は疲れる。

6月12日 スターダンサーズバレエ団 「ドラゴンクエスト」 メルパルクホール 招待

すぎやまこういち音楽であのメロディにのってのバレエです。

7月14日 劇団SOAP 「アダルト東京」 アートボックスホール 1500円

劇場は高田馬場なのに新大久保で電車を降りてしまったために、道に迷ってヘロ ヘロでした。内容はゲラゲラ笑えるほどのものではなかったように思います。

7月21日 Zinjanthropusboisei 「青い太陽は孤独の象徴なの??」 東京芸術劇場小1

タイトルはふざけているのですが、内容的には人間あるは人類のあり方を考える 、かなりちゃんとした内容です。文芸においてふつう人間のとらえかたは、その おこないであり、プロセスの面からとらえることが多いのですが、この作品は物 質としての人間を何重もの抽象化によって本質をとらえようとする、感情さえも 機能として描いてしまうという、私にいわせれば極めてオブジェクト指向な演劇 であるとおもいます。 この劇団の特徴は美術的にとても良くできた道具類を舞台として効果高く使うこ とにあるとおもうのですが、今回もガイコツがとても劇の内容を深めるはたらき をしていたと思います。

7月 30日 ナイロン100℃ 「フリドニア日記」 シアタートップス 4120円

あの変な優先予約の初日、すっかり忘れていて2日目はもちろん売り切れ。しかし なんとか一般発売で指定席を買えたので、あの詰め込み桟敷席にならずに済みま した。のんびりとした南の島フリドニアでのちょっと変な事件の話です。 貞操帯というものを初めて目にしました。

8月31日 北区つかこうへい劇団 「にせサザ江さん/快晴サンフラワーボーイズ」 シアターX 2000円

前回の勝ち抜き公演で戯曲集を買って読んでしまっていたのですが、にせサザ 江さんは期待していたほどおもしろくなかったです。ふつうのサザエさんを知 っているだけに、にせサザ江さんの設定の意外性がおもしろいわけで、 仮面ライダーにしろ既存キャラクタの使いすぎも少しくどく感じました。 快晴サンフラワーボーイズは同窓会もので、大人が観れば共感しあえるところ がある作品です。何の同窓会か知らされずに集まった人達が子供の頃からの記 憶を頼りに、何の同窓会かをわかろうとするのですが、本当に体験した記憶と テレビなどで知った事柄が混同して何が何かわからなくなってしまう。ついに は幼稚園の同窓会であることがわかるのですが、先生が死んだことをしらされ る。大切なことを現代の溢れる情報の中に埋没させないためにはいかにすれば よいのだろうか。この作品の善し悪しは完全に観る側にある。しかし女優の容 姿レベルが異様に高い。

8月31日 eva 「宙ハ誰ソ彼」 千本桜ホール 1500円

このところ千本桜にも足を向けてなかったので、久しぶりに出かけてみました。 ひとり生きることに悩む主人公と、まわりの登場人物の馬鹿馬鹿しさが激しい ギャップとなってわけのわからん話となっています。走馬灯を蕎麦とうどんで ギャグにしたり涙ぐましい作者の努力が感じられます。本来お笑い劇団なのか、 渋い劇団なのか知りませんが、シリアスとギャグが同時進行してゆく大胆な構 成がなかなかよかったです。臭いタイトルのオリジナルってのは、芝居として おもしろくないのが相場ですが、そのおもしろくないところが小劇場の醍醐味 でもあるわけで。

9月8日 Highleg Jesus 「桃色漫遊」 指輪ホテル 「ミューズ オブ シューズ」 シアターD 3000円

ハイレグジーザスはあいかわらずのお下劣ではありますが、芝居としては磨きが かかってます。観客のマナーとしては反則なんだけど、観客の女の子を観察して いるとおもしろいですね。(オヤジになった証拠か?)
指輪ホテルは初めてみたのですが、不気味でした。観客が30人くらいなのに、50人 くらいの女の子がステージにあらわれて靴を脱いで無言のまま去っていくという 始まりで、意味不明なせりふ、飛び出す絵本のようなセット、最後は半狂乱でケーキ を食べ散らすというすごさ。しかし前衛演劇としてはたして価値があるのかどうか 疑問です。そのうちまたみてみようとは思いますが。

9月8日 ActingTeam PHY 「neuf」 千本桜ホール 1000円

映画をつくる話と、伝説のバンドの話と、悪魔の話と、その他いろいろ本の題材 を数多く用意した努力は感じられるのですが、どれに関しても踏み込みが甘いと いうか、語の響きだけで台詞をつくったような感じです。もう少しそれぞれの話 に繋がりを持たせ、伏線を用意するなどすればおもしろい本になったように思い ます。

9月22日 すかんぽ 「赤のソリスト」 千本桜ホール 600円

台風の一番ひどい時にでかけました。風がひどくて劇場の換気扇についた埃が 劇場内にふりかかるような状況でしたが、予想外に客が入ってました。シアター ガイドでみただけで、どんな劇団か知らなかったのですが大妻女子大学の劇団 らしいです。その割りには男のキャストが多かったですが。本は古城十忍のコ ンピュータ危機物で、人間の脳をコピーしたシステムをロボットに入れて、永 遠の生命をつくりだそうとする会社と、開発に疑問を感じ阻止をはかる開発ス タッフの戦い、それにスタッフの家庭でおこるコミュニケーションの問題です。 本がしっかりしているので役者も演技に迷いがないというか、ひさしぶりにち ゃんとした劇をみたような気がします。音響と照明もずれがなく、丁寧につく ってありました。欲をいえば、演劇を通して観客にアピールするものを自分た ちで考え出してほしいですね。

9月28日 第三舞台 「リレイヤーIII」 サンシャイン劇場 4000円

ぴあの優先予約でようやく取れた2階の端っこのほうでの鑑賞です。劇団物 の話で、上演されなかったいわく付きの台本を、読み進めるることによって 話はすすめられます。テーマは劇団はなぜつぶれるかというもので、ギャグ のまにまに、センスあふれる台詞があって、うまいんですけど、役者の味を いかすことを優先した感じで、劇そのもののインパクトはいまいちだったよ うに思います。かぶりものを全員が着たというのは意表を突いていましたが。
例によって本にサインしながら、鴻上氏がニコニコしてましたが、少し やつれたように見えました。そろそろ新作をお願いしたいですね。

9月29日 PGQ 「Sweep Sweep 2」 文芸座ルピリエ 3000円

掃除のアルバイトをしてる4人の女性が登場する、ミニミュージカルです。 ストーリーは前回公演とほぼ同じでキャストが多少かわってます。歌やダン スや本は、そこそこのものだと思いますが、演技がとてもよいです。100%力 を出しているって感じで伝わるものがあります。お子様にはきついシーンも ありますが、出演者も観客もステージが好きで好きでたまらないという気分 が味わえます。第三舞台のうまさが目につく劇より、好感がもてます。 扉座がバックなのでちゃんとしてるところはちゃんとしてます。(値段もちゃ んとしてるけど、十分に3000円の価値はあります。)
2日連続で池袋まで出かけるとは、演劇をみるパワーが復活してきたかも。

10月5日 展開回路 「展開ワンダーランド」 アゴラ劇場 500円

以前みた「街が見る夢」がかなりよかったので、ひさしぶりにでかけてみました。 いつもは代表の今井氏が台本を書いているのを、今回は役者の重高氏が書いて 主演もしてるということで”しげたかのりお活劇”と銘うってあります。 オープニングがいきなり「何もできていないので公演中止です」というあいさつ からはじまり、コントの連続状態になり、何が何かわからないうちに終わります。 ストーリーも無しに100分もやるとはすごいといえばすごいですが、結論的には あまりおもしろくありません。非ストーリー物は物語がない代わりに、見せたい もの、伝えたいことを明確に表現しないと空しいものになりやすいですね。個々 のギャグとかはそれなりにおもしろかったですが。

10月5日 KHART「狂ヒ桜」 Die Pratze 2000円

展開回路の公演で配られていたチラシが怪しかったので、予定変更してでかけました。 神楽坂Die Pratzeは初めていったのですが結構良い小劇場です。学生服を着た (あまり若くない 失礼!)女優さんたちがでてきて、はじめはアングラ志向の 変な演劇集団かとおもったのですが、最後までみると大作ぢゃないかという気が してきました。輪廻のあちら側が学校になっていて、生命と繁殖のための教育が おこなわれ、卒業とともに生まれかわっていくのですが、いつまでも卒業できない 2人がいて、なぜだってことで話がすすんでいきます。宗教じみているわけでなく 、かなり整然としたオカルトものといえるでしょう。劇中で読まれる宮沢賢治の 「蠍の炎」とかいう寓話が本当にあるのかどうか知りませんが、印象的に解決 への糸口となり、紙吹雪(桜)とびちるクライマックスとなります。
本当に危ない集団なのかと心配になりましたが、後から冊子を読んだところ中学高校 のときからいっしょにやってる連中なんですね。えらい。

10月5日 03ゴールデン劇場「その角を曲がれば」 千本桜ホール 2500円

めずらしく千本桜ホールが満員で、こみあった桟敷席で足腰の痛みと戦いながらの 観劇となりました。話は自殺志望者用の賃貸部屋があって、自殺や心中をしようと する連中のコメディなんですが、刀をふりまわしたり、広島弁、熊本弁でのいいま わしなど、かなりコテコテな内容です。演技はコテコテという意味では年期が入っ ていて上手いですし、かけひきの呼吸なんかもスリリングで、とても楽しい公演で した。観客も若者からお年寄りまで幅ひろく、まだまだ東京にも私の知らない人気 劇団がたくさんあるもんだ。

10月9日 FICTION 「FICTION Vol.3」 千本桜ホール 2200円

富良野塾出身の3人組みだそうです。20分位と40分位の話の2本だてです。 1本めはアルバイトのテロリストの話で、やたらと間が長いナンセンスもの。 面白さは、いまひとつだったように思います。2本目は怪しい教団の教祖と、 ジャージを着た2人の修行者の話で、こちらはおちゃらけを超えた面白さがあ りました。最近一番笑えたとおもえます。「レベルが1あがりました」は力が 抜けるし、町角ワークの踊りも悲しいくらい情けないし、面白さでは大当たり でした。長めのコントという観もなきにしもあらずですが。 平日2日公演ですが人はよく入ってました。

10月12日 ナイロン100℃「ビフテキと暴走」青山円形劇場 4120円

他の観客もいっていたのですが、円形劇場なのに片隅に舞台をつくってしまって 普通の劇場のように使ってるのは少しどうかなと思います。話はビフテキ工場で 暴動がおこり、社長は失職して再起を図ろうとします。その他変な連中がからん でめちゃくちゃな話です。たしかに本は面白いんだけど、キャラクタだけでおか しい役者ってのが3〜4人なので、おもしろさが休み休みになってしまって損し てるかなという気もします。ギャグを差し引いて考えるとゴドーを待ちながらに 匹敵するナンセンスストーリーだったと思います。だってこの中に入れると5倍 になるんですから。

10月13日 傭兵劇団クッキーモン星 「ハードボイルドで行こう PART3」 千本桜ホール カンパ円

この劇団、前にも見たような気がするのですが、うーむ思いだせない。下北沢 に事務所をおく私立探偵のコメディです。なぜか名前が絵里でないといけない 秘書兼事務員の採用、大家とのたたかい、透明人間の捜索とか適当に馬鹿馬鹿 しくておもしろいです。常連と思われる女性客達は大爆笑してました。劇団員 が少なくて1人が何役もやるのを、わざわざ突っ込みをいれるとか内輪ネタに 走ることも多い(ちゃんと内輪ネタだという)んですが、十分おもしろかったで す。

10月20日 煉瓦少年社bABY/S 「ウソツキ」 千本桜ホール 1800円

疲れていて、居眠りしながら見てました。合コンのために、ウソをついて写真展 へいくのを断った男が、ウソつきを罰するドアをくぐると変なことがはじまり ます。写真展を開いた昔の同級生が制服姿であらわれたり、彼女を誘拐した犯人 にされたり、テレビのウソつき選手権にだされたりして、結局は写真家としての 人生を諦めた自分自身へのウソが大きな問題だったというような内容だったと思い ます。有名人をネタにしたギャグはなかなかおもしろかったです。でもギャグ以外 の所が未消化というか、こなれていなくて、いまひとつでした。演劇キャラとして 帝京大学阿部元副学長が登場するのは初めてでしょう。

本屋にたちよって、つかこうへいの新刊が出ていたので買って 読んだのですが、この話が本当に本当なら、あの人間くさい芝居が現実の人間の営み にくらべたらずっとさっぱりしているんだなと思ってしまいます。平穏に生まれ育っ た私たちが、つかこうへいの劇をアナクロだなんだと文句をつけるのは甚だ僭越な事 かもしれません。でも私は、演劇は未来をめざしてほしいのです。人情は時として人 間を縛り付けて、時代を進めなくする可能性もあると思うのです。
「人は幸せになるために生まれてきたのです」光文社 980円

10月26日 zinjanthropusboisei「世界の涯には退屈した魚が昼寝をしていた」Love Space Zinjan 1500円

雑誌等にはのっていないアトリエ公演です。フロアを仕切って水がはってあり、 じゃぶじゃぶ濡れながらの演技でした。世界のはてで3人が魚を泳がせたり、 パックしたり、OHPで変な色の照明をしたりとりとめのない事をしていると 変な人たちがやってきて、トランシーバで交信したり、写真を貼り付けたり、 ますますわけのわからないことをします。台詞や演技は役者まかせのところが 多いみたいで、それなりにおもしろかったです。印象に残ってるのは、ロミオ とジュリエットが1万年の命を与えられたとき、ロミオは100年毎に生まれ 変わり100度の出会いを望み、ジュリエットは生まれ変わることなく1万年 いっしょにいることを望んだという話と、トランシーバの女の変な踊りです。 それと風船の膨らまし割りはすごかった。子供には見慣れない風船ですが。
来年3月"WALTZ"の再演が楽しみです。

10月27日 瓜南瓜企画 「にくいにくいあなたがにくい」 千本桜ホール 2200円

いろいろと不満のたまった女性が丑の刻まいりをする話です。笑い話ではあるんです けど、まわりに本当にいたら恐いです。私は巫女さんがとてもおもしろかったです。家 を飛び出した主人公を家族や同僚が探しまわってるところに、無言で巫女さんが通りか かり、みんな神社だと気づくのですが、巫女さんの現れかたがわざとらしさを通りこし た無意味さ。わら人形をめぐるやりとりも、すっとぼけていてよかったです。 自宅、会社、神社の場面きりかえで暗転が多かったのが、もりあがりを持続できない 一因になってしまっていたような。

11月02日 Shula Shu「菜の花さいたあ」 千本桜ホール 2000円

旗揚げ公演だそうです。そんなに若い人たちでもないし、舞台なれしている人も多かった です。話は温泉旅館の女中さんラブコメです。美人の女中さんがハゲ社長の求婚を はねつけ、喫茶店のマスターとハッピーエンドというだけの話なんですけど場面場面 が結構おもしろく作られていて、楽しく見られる劇でした。女性出演者にくらべ男性 陣が少し弱かった。なかなかよくできていたのは、ハゲヅラと喫茶店の看板人形でしょう。

11月04日 「ナイトコラール -夜の聖歌隊-」 シアターD 3500円

ダンスと短編の芝居を組み合わせた公演でした。ダンスの方は大竹一重と、2人の女性 ダンサーのなかなかムフフなダンスでした。でもダンサー2人のダンスはなかなかハイ レベルで、ステップも見ごたえありました。芝居の方は最後の1話以外はコメディで なかでも、不倫が禁止になってオトリ捜査とオトリ捜査のだましあいをする話はとって もおもしろかったです。最後のホラー的な話、殺した男の死体がある部屋に男をつれこ んでしまう、ぶちきれた女の話はかなりこわかったです。客層は年齢的に幅広かったです が若いカップルや、女性客も結構入ってました。

11月09日 「ラフカット'96」 スペースゼロ 3200円

オーディションで選ばれた役者による4話オムニバスでした。ケラのイメクラコメディ もなかなか馬鹿馬鹿しくてよかったですが、じんのひろあき作の速読教室の話が短編 としては切れ味がよく一番楽しめました。イメクラの話でギャグがあると、観客の 男女が別々に笑うという変な現象がおこっていました。男が笑うところと女が笑うと ころが別れてるんです。

鈴木勝秀、ケラ、堤泰之、じんのひろあきのトークショウがあったのでそれも聞いて きました。オーディションの裏話がもっぱらの話題であったのですが、4日間だけの 公演に500人以上が応募してくる、有名劇団の役者も応募してくるということで たいへんなようです。さすがに原サチコが応募してきたのには驚いたということですが。 話は少し酔っ払っていると自分でいってたじんの氏の話がおもしろかったです。 もとじめの堤氏は本当に面倒みの良い人なんでしょうね。

11月16日 明学小劇場「若奥様は力持ち」 千本桜ホール 500円

なかなかお馬鹿なホームコメディでした。カマキリ好きなじいさんと、ライフル マニアの娘と、説明台詞が多い旦那と、男な若奥様がいる家族に、怪しい男が 電子レンジ男をおくりこんでくるっていう理解し難い設定で、ギャグも力が抜ける のが多くて、楽しかったです。じいさんと娘は初舞台だというわりには、うまかっ たです。娘役の人は結構大物になりそうな予感。結局影の薄い旦那の魔法の力で問 題解決するってのも意表をつかれました。

11月23日 四季 「美女と野獣」 赤坂ミュージカル劇場 10000円

用事ができていけないって人のかわりにいきました。四季は2年ぶりくらい でしょうか。野獣はゴールドブレンドの石丸幹二でした。ゴールドブレンドって焦げた 焼きいものような味ですよね。贅沢な舞台づくりでハイテンポに進行するので子供でも 見ていて楽しいでしょうし、ビデオとかみたことあればストーリーもわかると思います。 ルミエール(青山明)とミセスポット(末次美沙緒)の歌がききごたえありました。女性ア ンサンブルの中の1人も好みのダンスでした。 個々の歌唱力も高いし、群舞も迫力あっていいんですけど、ステージ回数が多いためか 100%力を出していないような気がしてなりません。さりげなく、実力をひけらさないと いうのがプロの役者なのかもしれませんが、ちょっとはがゆいです。 それから花火の煙がくさかったです。

11月24日 PARMAN'Z 「ハリケーン」 千本桜ホール 2000円

幕末もので、勝海舟が黒幕というストーリーとしてはおもしろいところをついている とおもうのですが、本筋が少なかったです。やたらと力の入った演技や 聞かせどころの台詞はよかったです。ファンタパインとファンタグレープのギャグは そんなに面白くはないんだけどインパクトありました。

11月28日 燐光群 「甘い生活」 スズナリ 2800円

15番だったけど最前列中央でみることができました。某教団と、毒ガスの疑いをかけら れた男の一家の話ですが、メインテーマを演じたのは、長い間教団の修行のために地下で 生きていたので言葉を失った少女です。死んだ2人の教団青年の幽霊と、毒ガスのた めに意識不明のままの妻の生霊?が少女に言葉を教えていくのですが、いい意味でも悪い 意味でも言葉というものが、事物を限定する道具であり、私というものを限定する、認識 することから自殺や色々な問題が発生することを提起してゆきます。設定的にはオカルトじ みているのですが、人間的なテーマに関してはすごく洗練されているし、舞台の見た目も 効果的につくられていました。 少女から10年後くらいまでを演じた美香という女優さんは、おそらく初めてみたんですが いいですね。若手で小さいことで選ばれたとは思うのですが、不自由な言葉使いを劇として は観客にわかるように演じるというのは非常に難しいと思います。とてもうまかったと思います。
最近の燐光群は小泉八雲ものを何作かやっていたのですが、テーマに乏しいというか、 結局何がいいたいのかわからない作品だったように思うので、今回の言葉の意味というも のに対するひとつのアプローチは非常に満足できるものでした。しかし15日初日予定が 22日からに遅れたんですね。三谷とちがってニュースにはなりませんが。

12月1日 NIGHT'IN-GALE 「AGE of CHAIN SAW」 千本桜ホール 1800円

連続レイプ犯の兄と連続殺人犯の妹、事件にまきこまれる人々のバイオレンスもの なんだけど、最後は天使が彼らを救うというなかなかハートウォーミングな話だぜ。 離婚した両親に別々に育てられた兄と妹が、弱いものをいじめることを生きがいにして いるベトナム帰りの男の一家を皆殺しにしたのをかわきりに、自分たちの両親を殺し、 アベックの男?を殺し、女を連れて逃走する。流れついた田舎のモーテルの女主人は 男を殺しては食うというとんでもないし、さらってきた女も両性具有の2重人格だし、 やりきれない4人の語りあいのあとFBIがふみこんでくる。
場所がアメリカで、人物もアメリカ人、台詞もちょっと昔の吹き替え映画風で、演じてる のは日本人なんで違和感はあるんだけど、かなりリアルでうまかったです。小劇場で外国 物ってハズスことが多いんだけど、この劇はクサイとかクドイというものを超越していて 人間の心理の明暗をよく演じていたと思います。ストーリーも殺人兄弟の話だけでは単調 になりがちなところを、モーテルの女主人や2重人格の話をからめておもしろくまとめて あったと思います。

12月 8日 時夜夢 「天上人が舞い下りた日」 千本桜ホール 800円

武蔵工大&東横短大の劇団だそうです。3年後に人類が絶滅するという神のおつげがあり、 人類はきれいさっぱり絶滅して現在の人類の持つ悪のない次の時代をつくろうとします。 そのために不老不死の吸血鬼を見つけて狩る吸血鬼ハンターがいて、吸血鬼の姉妹をお いかけているのですが、実は人類に次の時代という空しい希望を持たせるための演出で あったのです。人類滅亡物としては、いままで見たり読んだりしたことないストーリー で結構考えてあるなと思ったのですが、最後にシミュレーションだったという、工大生 らしいオチがあってちょおと力がぬけてしまいました。演技はまだ板についてない感じ でしたが、吸血鬼ハンターの隊長と隊員1は笑えました。

12月13日 横町慶子 「モアレ」 DELTA MIRAGE 2800円

神田のサロンでおこなわれたソロパフォーマンスです。音楽といってもノイズなんですが、 10分くらいガンガン聞かされた後、ようやく登場、砂時計を落としはじめて30分間ノイズ で踊りまくり、砂時計が落ちきったところで終わりになりました。隣の女の子とか途中耳 をふさいでいたくらいすごかったです。2時間やられたら脳神経的に危なかったです。踊 りのほうは、うーむ何ていうか、前衛舞踊ではあるのですが、なんとなくかわいくもある し、不思議な踊りでした。それにしてもロマンチカの客は怪しい連中が多い。

12月14日 北区つかこうへい劇団 「ららちゃん、じゃあね」「比翼の鳥」 シアターX 2000円

「ららちゃん、じゃあね」は死後の世界に迷いこんだ男が、そこで家族をしている霊とい ろいろとやりとりをするんですが、娘が昔ファンだった小泉ららというアイドルで武道館 コンサートを前に強盗に殺されてしまって成仏できずにいたのが、ららの父親が「あの子 はかぐや姫だった。」という手記を書いたのを聞いて成仏してゆき、そのあと家族という ものについて語りあった後、現世にもどるというはなしです。悪い話ではないんだけどイ ンパクトが無いというか、家族論が高尚すぎたのかもしれません。
「比翼の鳥」は題名意味不明なのですが、警察に自殺防止課といのができて、ある男の生 き方にへんにかかわってくるという話です。主人公の男は花屋で働く女の子に告白し、恋人 になるのですが、彼女のほうが自分に子供ができないことを知って、別れを言い出します。 男が「生きていけない」みたいなことを言ったのを盗聴していた警察が自殺未遂の現行犯で 逮捕し取り調べ、彼女をやめて別の女にしなさいとかいわれて、あらためて自分と彼女の 関係をかけがえのないものだと知るハードな恋愛ものです。熱海殺人事件の逆をいく親切な 警察な話? 作者の秦建日子はチケット屋の営業をしていて、つか事務所に来たのがきっかけで演劇を書 くことになったというかなりかわった経緯の持ち主のようですが、役者の選びかたも、演出 もツボを押さえていて、これからも面白いものをみせてくれそうな気がします。

12月15日 「美女とトークン、マヨネーズ」 パルコ劇場 7000円

松下由樹、ミスサイゴンの森尚子、中原理恵をメインとする、ストレートプレイのほうが多い ダンスミュージカルといったところです。ブロードウェイを目指してNew Yorkに来た女の子 が厳しさを知って、もう帰ろうとしたところにショーパブでの仕事が入り、ダンサーとしての 喜びを再確認して元気になるって話です。トークンは地下鉄の乗車券で危険な街New Yorkの お守り、マヨネーズは日本の味ということで、かわったところに目をつけたなと思いましたが それだけ、特に展開はありませんでした。QPがスポンサーだってことでしょうか。
ダンスは見ごたえありました。テレビドラマが多い松下由樹ですが、ダンスの鍛えかたは、 かなりのものです。2年前に青山でやった公演は黙々と踊る感じでしたが、今回はよくしゃべ るし、踊りもお笑い入りで、犬の格好でも踊るし、楽しめます。まあ、あまりまとまりは無い ですが、場面場面の歌や踊りをお楽しみください。(これからの全国公演を見る方へ)

12月15日 娘の予感 「パレード旅団」 千本桜ホール 1000円

東京工業大学の劇団らしいです。土曜日に両国から大急ぎでもどって劇場にいったのですが、 シアターガイドに書いてあった開演時刻が間違いですでに1時間前に開演しているということ で、翌日出直すといったらチケットをくれました。ゆえにただ見です。この日も渋谷から大 急ぎでもどってなんとか見ることができました。でも特に見たかったというわけでもないです。
昨年第三舞台が公演したものを、ほぼそのままの内容・形での上演でした。役者の力の差は否 めないので、前半のキャラクターぼけが半分くらいすべっていたのはしかたないでしょう。で も後半は結構いい芝居していたとおもいます。家族と中学生集団の切り替えもぜんぜん違う人 物から同一化していく展開がスリリングで、クライマックスの台詞の重みも十分あったと思い ます。長くて台詞の多いものをよく練習してはあると思うのですが、演出が鴻上なみに恐くなら ないと、すみずみまで楽しめる劇にはならないのかもしれません。

12月21日 カール組 「a boy」 千本桜ホール 2800円

千本桜ホールで2800円というのは高いのでいこうかどうか悩んだんですが、休日出勤をはやめ に切り上げていってしまいました。しかしこれは見てよかった。内容は1970年代後半の不良高 校生の集まりにおこるいくつかのエピソードです。高校を退学になった少年の部屋に窓から入 ってくる仲間たちは、シンナーを吸い、中学の卒業アルバムを使って女の子を誘い出し、電気 アンマをかけ、殴り合いもするのですが、仲間のけんかは助太刀したりして青春してます。まあ とりとめのない話ではあるのですが、演技がとびっきり味があってすっかり引き込まれてしまい ました。演技の質では今年見た演劇のナンバー1でしょう。 シンナーを吸うときの目つきとか ものすごい演技、リアリティだけでなく心理の表現、演劇というものがここまで人間を表現でき るのかと驚きでもあります。しかし途中からこの話に決着は着くのだろうか心配になりましたが、 退学を相談にきた善良な少年が自殺するという、一気に収束してしまうところに解決を求めたの は仕方ないかなと思います。1人だけ出ていた女の子も不安が演技や台詞によって良く表現されて いました。

12月23日 展覧会のA 「NOW HERE WOMAN」 アゴラ劇場 2300円

チラシにホームページアドレスが書いてあったのでみてみたら、キャリアのある劇団らしか ったので劇場に出かけてみました。大阪の劇団ということで客の入りはさみしかったです。 話は宝塚をやめて10年になる主婦の所へ同期の2人がやってきて同窓会をするのですが、もう 1人くるはずの人がこない。到着を待つ主婦のところへ怪しげな訪問販売がきて変なものを おいてゆく。なかでもどこでもドアを開き宝塚時代へ誘うが主婦は拒否する。同期の2人を交 えて音楽学校卒業公演のシンデレラにまつわる事件があきらかになってゆき、平凡に耐えられ ない主婦が、夫や義母を殺したことを告白するというシュールな話です。前半は1対1の脈絡 のない会話台詞がおおかったのですが、後半は3人の女優さんがあたかも多重人格のように主 体的、客観的に舞台人の生き方をからめあうという、凝ったつくりでよかったと思います。で も宝塚ネタというのはパロディでやるならいいと思うんけど、ドロドロ的な話を入れてしまう と本当にシュールな話になってしまうので、あまりいい題材ではないのでは。 劇団のページはこちら

12月27日 EGG 「月でいっしょに」 スタジオエコー 3000円

ダンススタジオを中心に結成された劇団の旗揚げ公演らしいです。幕開けを 含めて5回ほどのダンスシーンはスピーディで見ごたえありました。ストー リーはつぶれそうな芸能プロが美少女戦士「ムーンフェイス」なる番組が当 たって繁盛するのですが、制作会社が突然の倒産してボロボロになり、その 後ファンの声援に励まされて元気をとりもどすってだけです。まあストーリー や台詞は、そこそこ楽しくて単純ですが、ダンスに力が入っていたので良し ということにしましょう。ダンスはマネージャをやっていた男(及川健)が一 番きれてました。女性のダンスもかなりいいんだけどスピードに間に合わせ るために伸びとか角度とかが少しヌルかったように感じました。恵比寿のス タジオエコーは初めていきましたがきれいで、客席数のわりには広いステー ジでなかなかいい劇場です。いい劇場だっただけにもう少し美術に力を入れて ほしかったです。

なんだかんだといっても54だか55もみてしまいました。

96年のまとめ


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