2003年の演劇
2003/09/07
パート3です。
7月12日 鉄屑堂「月光」 千本桜ホール 1000円
4話ものの朗読です。小川未明作「月とあざらし」、中島敦作「山月記」、
藤沢周平作「おぼろ月」、毛利恒之作「月光の夏」と月をテーマにした
作品を約20分ずつ読みました。良かったのは「月光の夏」、出撃を翌日
にひかえた特攻隊員がグランドピアノがある国民学校を訪ね、楽譜があ
った月光を弾き、ピアノ係の新人教師がそれを聞くという話です。読む
人がスポットライト当たりぱなしはきつかったのでは。
7月21日 トップデチープ「ウタとり」 千本桜ホール 2000円
旗揚げ公演です。幕末、京都に怪しいかるたとりの師匠がいて3人の弟
子に激しい教えをしている。師匠のもとには他に浪人が出入りしてい
て勤皇派に関係しているらしい。宮中のかるた会の日には池田屋で勤
皇派のあつまりも予定されており、世情は緊迫してゆく。。。
ひとりで何役も演じたけどあまり切り替えになってなくて、見て
る側 はすこし混乱したけど、まずは題材の選び方を褒めたい。幕末も
のはすでにいろいろな視点から脚本化されているけど、メジャー人物
を登場させず、かるたで出会った3人の娘がからだをはって見聞きした
歴史の裏側という設定がよかった。
トップデチープ
7月26日 Dark Moon「イポスケシ」 千本桜ホール 2000円
ときどき見てる劇団です。25世紀、アンドロイドが労働力として多用さ
れている時代、博士が死んだ娘のDNAを使った新型アンドロイドを作り、
あまりに人間らしいふるまいに周囲も驚いた。リース会社で彼女のテス
トを担当している男が恋しちゃうけど、大問題がおこり。。。
昔からよくあるSFものネタだけど、テキストはすっきりまとまっていて、
衣装メイクや演技でテンポを作って、全体としてうまくできていたと思
います。やや見に来てくれてありがとう的消極的サービスもあるので、
もうすこし強気を見せても良いかなという気がします。
ちなみにタイトルはギリシャ語で約束の意味と言っていたような。
8月09日 笑う阿部魂「餓死するぞ」 千本桜ホール 1500円
旗揚げ公演です。人数が足りず公式戦に出られない野球部の顧問に美人
女教師が就任した。野郎達は合宿にかこつけて不埒なまねをしようと企
むが、女教師の怪しげな世界に引きずり込まれ。。。
ほのぼのした青春コメディ調ではじまったのですが、だんだん危ない内
容になってきて、最後は・・・。いまどき劇団を始めるにはここまでイ
ンパクトのあるものを作らねばならないとは、きびしい世界になったも
のです。東京の演劇界だけに通用するインパクトで終わってしまわない
ことを願います。
8月24日 劇団小僧ロップ「渚」 千本桜ホール 1000円
東洋大の劇団で初の学外公演のようです。上京してヤクザになった男が
殺されそうになり、弟分をつれて生まれ故郷に帰ってきた。実家の教会
は両親も死んで荒れていたが、中学時代の同級生と出会い受け入れてく
れる人もいる。しかし彼に苛められた過去を持つ者達は、ダムで村が水
没するのを待てず、彼を追い出しにかかる。。。
渚というタイトルからは想像のつき難いハードな感情ぶつかりあいドラ
マでした。主人公の渚や弟分のキャラクタで見せる劇なのでオーバーな
行動なのですが、丁寧に作ってあって感心しました。学生劇団も最近は
余暇活動どころではなくプロ並みのことをやらねばならない厳しさも感
じました。使い込んだ拡声器が味のある小物でした。
小僧ロップ
8月31日 クールマイルドシアター「天界輝石」 千本桜ホール 1500円
旗揚げ公演とのことです。戦乱の時代、不思議な石の力で敵を破り勢力
を増していた男が親子けんかの果てに息子に倒されてしまう。息子は戦
嫌いなことから父と対立するようになったのだが、父の石を手に入れて
から一転し戦いに明け暮れるようになる。不思議な石は5個セットで、
残り4個を持つそれぞれのもの達が引き寄せられるように出会う。。。
ありがちな内容でしたが、せりふのそれぞれがしっかりしていて一貫性
がありました。一番のとりえは若さと躍動感かなあ。
9月06日 夜行列舎「ゴーレムの記憶」 千本桜ホール 2000円
はじめて見ました。心中で兄を失った男が生き残った女の妖しい性の世
界に引き込まれてゆく。。。
唐ワールドのわけのわからん内容でした。女優陣は迫力ありました。作
家がどういう風にこんな本を書くのか興味はありますが、観る側も演劇
体質ができあがってないと苦しいです。
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take@gene.ne.jp