2002年の演劇

2002/12/29


パート4です。

10月05日 とっても便利「美しい人」 タイニイアリス 2200円

見たの3作品目です。経済が破綻し失業者が町にあふれる事態となったとき、政府は 彼らを美術館のおりに閉じ込め有料で民衆に観せた。美しい人というタイトルで。 当初美しい人たちは無気力で、世間からもあざけられていたが、子供の中には閉塞 状態にある外の社会よりも自由な美しい人をうらやむ声さえあった。ある日、美し い人の担当役人が。。。
ミュージカルということもあり言動がある程度形式化されている様が80年代かそれ 以前にも感じましたが、最後まで観ると意外と既成ミュージカルから離れた独自性 をもった作品になっていたかなあとも思います。表現の斬新さでは東京の過激な団 体が進んでるかもしれないけど、テーマへの取り組みの深さや、劇中での歌の意味 をじっくり考えて作られているのは貴重だと思います。 頭ぶつけないように、もう少し広い場所のほうがいいでしょう。でもマイクなしっ てのがいいからな。

とっても便利

10月06日 表現部落「燃えるゴミ 燃えないゴミの日 燃えろゴミ」 千本桜ホール 1800円

第2回公演だそうです。ある公園に3人のホームレスが住んでいて、男2人は近くのご み処理会社に働きにいっていた。若い男は自称路上パフォーマーで気取っていたた めか、ホームレス狩りの連中に目を付けられ、怪我をさせられたあげく殺されてし まう。警察はまともにとりあってくれない。近くのマンションにも暴力にはけ口を 求める人達がいて。。。
かなりきつい社会問題を演劇として切り取った内容でした。でも猫のぬいぐるみと か出てきて笑っちゃったりするんですけど。それと、出てる役者がどちらかという とお笑い系で、シリアスな中にも人間のおもしろさを表現していました。

10月12日 bird's-eye view「soundsystem」 アゴラ劇場 2800円

はじめて見ました。男女多数が同じような衣装でコントやダンスをする出し物でし た。コント風といっても、お約束的おちがあるようなスタイルではなく、現代の若 者の生活が微妙におかしくなった状況をあつかったのが多かったです。アイデアが ちりばめられていて、かなりおもしろかったです。

bird's-eye view

10月12日 燐光群「最後の一人までが全体である」 スズナリ 3600円

今年は一回目です。1980年代、ある地方大学の自治活動は文化系サークルの代表組 織である学友会と学生寮によって維持され、15年前に学生運動の学生側バリケード に最後まで参加して解雇された元教官が嘱託職員として活動を手伝っていた。昨年 中止された大学祭の復活させ、その企画のひとつとして、東京から劇団を招いて公 演することになった。準備のためにはやくから訪れた劇作家は、元教官が学生たち に開放している官舎の一室に興味をもつ。。。
時代はバブル経済とアイドル文化。自治だナンセンスだと叫んでも社会が変わると は、変えなければならないと考えきれなかった時代。なんとも微妙な題材を選んだ ものですが、私もその世代を生きた一人としては、もう少し深く書いて欲しかった です。タイトルの言葉だけがさえたフレーズでした。

燐光群

10月13日 にんじんボーン「こ・と・ぶ・き」 三鷹芸術文化センター 2500円

ひさしぶりにみました。クリスマスの日、奉仕団体の各支部からこども向けの人形 劇をやるために初対面の5人が集まった。人形調達&演出役の人がなかなかあらわ れず、来たものの人形は無いという。かわりに届けられたものは手作りのおめん。 生身で演じることに驚くが、練習を始めると、みんな演出に口を出しはじめ。。。
設定や展開に現実感がないというか、何かずれている感じ。劇の演出がいかに 難しいかという気持ちはわかるけど、見ていて、話進んでくれーと思わずにはいれ なくなってしまいました。雰囲気が留まらない劇場の問題もあるとおもうけど。

にんじんボーン

10月13日 上海ジェット「にいえふ」 千本桜ホール 2000円

はじめてみました。となりの音がよく聞こえるアパートでのラブコメです。ある若 者が住む部屋のとなりに男が引越してきた。顔をあわせないので知らないのだが、 実は病院で診察を受けた医者で、つきあっている彼女同士が双子だったりする。。。
かなりシモネタもありだったのですが、ハイテンションでおもしろかったです。 声優の役者でみんなおもしろい声をしてました。

上海ジェット

10月14日 二兎社「新明暗」 シアタートラム 4500円

二兎社は昨年につづき2回目です。仲のよい夫婦がいて、うまくいっていた のだが夫が痔の手術で入院したことにより、夫の親族や交友関係が普通と違 うと妻は考え始め、関係がおかしくなってゆく、さらに夫が昔ふられた女性 をいまだに好いているという話を聞き反撃ののろしをあげ。。。
コメディ劇として面白いと言えば、面白いのですが、やや期待した方向とは ちがって、うーむという気分です。なんで漱石を原作に書こうと思ったのか が最も気になるところですが、男の作家が書く妻の心情に何か特別なものを 感じたのでしょうか。現代人のストレスを明治時代の人間関係あてはめてみ たかったのでしょうか。

二兎社

10月16日 日本総合悲劇協会「業音」 草月ホール 5300円

なんでカメラチェックなんかするのかと思ったら、確かにこの映像は外に出 せないですね。金に困った芸能人、荻野目慶子が新曲CDを出すために奔走し ている時に事故を起こし女性を意識不明にしてしまう。被害者の夫とただな らぬ関係になってしまい。。。
私としては、面白いとは思えない内容なんだけど、他のお下劣団体とは違う 非常識の厚みを感じます。荻野目慶子の生き様には恐怖すら感じる。

10月19日 「モーツァルト」 日生劇場 11000円

チケットを譲ってもらったので見れました。ウィーンで1999年に初演された ミュージカルです。父との関係をストーリーのベースにしています。音楽は モーツァルトの曲は演奏会のシーンだけで使われ、ミュージカルナンバーは まったくオリジナルだと思われます。難度の高い歌ばかりですが、出てるキ ャストがそうそうたる顔ぶれなので平然と歌ってしまってます。松たか子の ロックってのも意外でおもしろいです。ただ題材がモーツァルトだけに音楽 的完成度はもう少し追求すべきだったのではと思わなくもありません。と思 うのはエリザベートの印象が強かったからかも。群舞の振り付けも大勢が同 じ動きなのは今時のミュージカルとしては違和感あり。

10月19日 三都企画「ジャック・ブレルは今日もパリに生きて歌っている」 サザンシアター 7500円

1968年にNYのオフシアターで始まったコンサートスタイルのミュージカルだそ うです。60年代にシャンソン界の革命児として活躍したジャック・ブレルの歌 と彼や歌についてのおしゃべりで作られています。社会性の濃い刺激がある歌 から郷愁ただようほのぼのしたのまであります。途中1回だけ、レコードで ブレルが歌うのが流されて、たしかにインパクト強い歌でした。その他はミュ ージカルでは有名な役者4名による日本語での歌でしたが、日本語の平坦な音 質では、シャンソンの雰囲気を出すのは難があり、ふつうにミュージカルとし ては満足できる歌だったのですが、過激なシャンソン歌手に対するトリビュー トとしては物足りなさも感じました。でもこういうスタイルのミュージカル ショーも大人向きにはいいかなあと思えます。

10月20日 Stage Station「銀河鉄道の夜」 千本桜ホール 2500円

ときどき見てます。星祭りの夜、ジョバンニ少年は銀河鉄道に乗り、いろいろ な人と出会う。友達のカンパネルラも乗っていたが、いつもと様子がちがう。 。。
宮沢賢治の生涯をおりまぜて、賢治と童話の中の人物の純粋さを表現 したような内容でした。しかし、原作が童話で、内容が知られている本では、 どういう観客の年齢層を対象に何を劇として作るかをはっきりしないと、見て いてわかりにくいです。これまで、重い内容の本を若い役者が同世代にわかり やすく演じた公演が多かったので、今回は異色といえば異色でした。

10月26日 動物電気「人、人にパンチ」 三鷹市芸術文化ホール 2700円

ひさしぶりに見ました。98年の初演もみたはずですが、ほとんど記憶にありま せん。マグロ遠洋漁船に乗り込んだ男たちの喜怒哀楽を渋く、いえ暴走状態に 描いています。小林健一の芸は面白いのか、面白くないのか、政岡が直に突っ 込む無謀なところもありましたが、観客のネーちゃんたちの歓声からすると、 現代演劇の芸として認められているのでしょうね。人間の極端な面の描き方と してはうまいなあと思います。

動物電気

10月26日 「ラフカット2002」 スペースゼロ 3500円

だいたい毎回みてます。今回は以前の作品の再演で、 中島かずきの「溝呂木秋彦の憂鬱」、松尾スズキの「洞海湾」、ケラの 「13000/2」、鈴木聡の「村田さん」と作家のネームバリューで選んだような 気もしなくないセレクションです。役者はインパクトあるようにみせようと してますが、4話目以外はアクの強い内容なので、それに見合う演出がされ てないとバランス悪く感じちゃいます。溝呂木役の人とか売れそうな感じし ます。

10月27日 力の加減「REQUEST」 千本桜ホール 2500円

よく見てる団体です。すこし脈絡のある映画と劇の2本立てでした。日本で 大きな武器の取引があり、阻止するように命令をうけた英国スパイが見つけ たその場所は小さな個人商店で、銃弾を100g単位で売ってたり、ミサイルを 手作りで作っていたりする。しかしアルバイトとして元KGBきっての最強エ ージェントが働いていたり怪しいかも。。。
前回公演のアンケートに次の公演のテーマを選ぶのがあって、スパイが一番 多かったので、こんな話になったといってますが、いつもながら、へんに真 面目なナンセンスものです。日本人だから笑えるけど、外人に見せるとかな り危ないかも。

力の加減

11月02日 博打鮪「焔女交祭」 千本桜ホール 1500円

はじめてみました。人里はなれた洋館に招待された3組のカップルと1組の 漫才師コンビ。カップルはうまくいっていないものや、何やらわけありな関 係ばかり、漫才コンビは売れないのは相方のせいではないかと考えていたり していた。怪しい女主人があらわれ、女達や相方を連れ去ってしまい、アト ラクションかと思っていたら、けっこうヤバかったり。。。
2時間30分あって、せりふも気合入ってるのですが、もうちょっとストーリ ーそのものにおもしろみが欲しかったです。役者が見せ場をがんばりすぎて ストーリーが隠れてしまったのかもしれませんが、役者が騒いだだけという 印象でした。でもこれだけの量のせりふをこなすだけでもエライ。

博打鮪

11月02日 ミュージカル座「ひめゆり」 芸術劇場中 7500円

4年ぶりの再演です。沖縄戦でのひめゆり学徒隊の悲劇を題材にしたポップ オペラです。第2幕が少し軽くなったような気もしますが、日本のミュージ カル作品の中では圧倒的に重い内容で、良い内容なのですが見る側の受け止 める力の問題も含めて、ロングランは難しく、何年かおきにしか上演できな いかもしれません。主演がミュージカル座初出演の本田美奈子で、歌は劇団 員のレベルがあがっているので、傑出したとはいえませんが、演技はキャリ アを感じさせてくれて、キャスティングとしては成功したと思います。 カーテンコールでの笑顔がかわいかったです。

ミュージカル座

11月09日 乞局「陰漏(かげろう)」 銀座小劇場 2200円

初めてみました。ある男が自殺したらしいということで兄が身元確認にくる。 自殺指導の講座に通っていたり、葬式代を貯めるためのバイトをしていたこ とがわかり自殺の裏づけが強まるが、戸籍が消されていたことが腑に落ちず 調査がすすめられる。。。
ミステリータッチなところもありましたが、現代人のこころのかげを自殺を 題材に描いた不条理性の強い内容でした。社会常識に囚われすぎの私として は、なかなか馴染めずに苦労しましたが、違う価値観を探している人にはと ても刺激的に見えたことでしょう。

乞局

銀座、皇居、飯田橋、牛込、大久保、中野、高円寺、阿佐ヶ谷まで3時間 以上歩いたものの劇場の場所をうろ覚えで発見できず、ごはんを食べて帰る。

11月10日 時夜夢「悪の組織の作り方」 千本桜ホール 1200円

千本桜でときどき公演してます。中小企業の悪の結社ジョーカーは世界征服 のための資金を得るため、テレビ番組でヒーローに倒される悪役に出演する ことになった。正義のヒーローも元改造人間という設定なので、レッドマン という名前にあうように赤トンボとお笑い若手芸人を掛け合わせて改造人間 を作るが、あまりに弱くてシリーズ構成はどんどんへんな方向へ。。。
いままであまりなかった、ハイテンションコメディ路線で、ノリもばっちり でした。哀愁にみちたストーリー展開も味わいありましたが、テレビネタを 使った脚本としてありがちな内容でもありました。

武蔵工業大学演劇部

11月16日 アセチレンラヴ「Good night Sandie」 赤坂PLAY BOX 2500円

ときどき見てます。小さなFM局の人気深夜番組"Good night Sandie"は女性パ ーソナリティと女性スタッフで作られていて、雑誌の長期取材を受けること になった。しかし不景気の影響でメインスポンサーが降り、ラジオ局閉鎖の 危機がやってくる。さらにパーソナリティが精神的なトラブルで本番中にし ゃべれなくなる問題まで発生し。。。
演劇としての文芸性や社会性はそれほどないんだけど、ウェルメイドな面で のクオリティは、すごく高くなってます。演技への気の配り方だと思うので すが、うなりたくなるような所が多々あります。後半の展開が大きく動いて びっくりするようなところもありますが、ウェルメイドなだけよりは、この 内容でよかったように思います。
しかし、赤坂PLAY BOXはもっとも場所がわかりにくい劇場のひとつだね。

アセチレンラヴ

11月16日 コクーンプロジェクト「障子の国のティンカーベル」 ベニサンピット 5000円

野田秀樹の未発表作品を鶴田真由の1人劇での上演です。妖精の国の裁判 で死刑を宣告されたピーターパンを追っかけて日本にやってきたティンカ ーベルは、わけのわからん妄想世界へ。。。
するどい言葉がちりばめられた戯曲で、歌が入って、なんとかオーバーフ ローせずに見れるという感じです。ピーターパンのはなしの中で奇抜なひ ろがりは見せるのですが、ベースストーリーから飛び出せないもどかしさ は、他の野田作品にも感じますが、それが演劇だといわれるとちょっと さみしいかもしれません。キャスト、スタッフとも相当がんばってるのは 見えるのですが、現代に多くの意味を与えるものには、すでになりえない ようにも見えます。

渋谷から赤坂、はては両国まで歩いてしまいました。

11月17日 ニュアンサー「流星 LOVES YOU」 エコー劇場 3000円

はじめてみました。テレビドラマのシナリオを書いている大野敏哉が作、 演出を務める劇団とのことです。父親の会社が倒産して、彼も海外に行 ってしまうというので、マンションから小さなアパートへ引越しを友達 や元彼までもが手伝ってくれているのに当事者の女の子は寝てばかり、 その夢には友人達もあわられて、日頃のキャラとは別人を披露する。。。
ベースはシリアスで、ちょっと不思議な心情をうまく書いてあると思う のですが、友人達が現実や夢の中でおこすドタバタが、意図的なのか天 然なのかわからないけど、ものすごく心地悪くて、初心者にはついてゆ きづらい内容でした。見ていてストレスがたまるのも狙いだったら、か なりうまいかも。

ニュアンサー

11月17日 ギャングエイジシアター「1UP!」 千本桜ホール 2000円

はじめてみました。デビューして5年になったものの全然売れないお笑い コンビが、一緒に自殺しようということになり、薬局に自殺用の薬を買い に出かける。薬局を探してビルをうろうろしていると、ボディービルジム やオカルト喫茶に迷いこんでしまい。。。
衣装や動きがワセダっぽかったのですが、Webで見てみると東京国際大学 出身者で結成された劇団のようです。でも鴻上作品ばっかりやってたみ たいなので、なっとくです。コントっぽい作品としてはかなりのヒット で、お笑い芸人という設定でもあり、本音がさっぱりわからないまま、 エスカレートしてゆく感じがうまく作られていました。女性キャストの ボケぶりもかなりグー。

ギャングエイジシアター

11月20日 「マイロックンロールスター」 パルコ劇場 6500円

長塚はじめてみました。さえない中年男のマンションに15年前に離婚し た妻と2人の子供がおしかけてきた。妻の万引きくせが再婚相手にばれて しまったという。妻たちは同居&再婚の条件として、騒音がひどい隣の ライブハウスをやめさせることを要求した。。。
はじまりがスローペースで、コメディタッチなのですが、だんだん人間 の精神力の限界というものが扱われていることが見えてきて、かなり恐 ろしいクライマックスを迎えます。劇のつくりとして、荒っぽすぎず、 演劇のディテイルを描きすぎず、バランスいいと思います。

11月23日 Actress Theater「阿国」 さいたま芸術劇場小 1900円

たまに見てます。出雲の阿国を名乗る一座が京都四条川原で興行をしよ うとすると、さきにそのあたりをなわばりにしていたアゲハ一家とあら そいになる。とおりかかったお偉いさんに仲裁されおさまるが、彼のま わりでおきている権力争いに巻き込まれてゆき。。。
ひとによっては、かなり動きにくそうな衣装なんですが、みなさんよく 踊ります。女性キャストばかりなので、悪人の悪さとか淡白なのは仕方 ないかもしれませんが、アクションも激しく、結末も意外にハードなの には驚きました。

Actress Theater

11月23日 ハグハグ共和国「infinity」 ジェルスホール 2500円

ときどき見てます。ある男女がおとぎ話談義をしていて、運がいいだけ の女、白雪姫が出ていってしまった後、7人の小人はどうしたのだろう という議論になる。一方、人気のピークをすぎた女性モデルがレポータ ーを目指しホスピスに取材にいき7人の末期患者に出会う。。。
見たの3作品目ですが、もっともわかりやすかったです。いかにも少し 前の小劇場というスタイルではありますが、中身はかなり新しいこと を扱っていて、やすらぎとするどさを併せ持った作品に仕上がってい ました。

ハグハグ共和国

与野本町から浮間舟渡まで歩いてしまいました。

11月24日 「ヤジルシ〜誘われて」 新国立劇場小 4200円

もちろん転形劇場ものははじめてです。ストーリーはあって無いような ものなので割愛。90年代前半には、まだこういう系統の演劇も少なから ずあったように思いますが、最近はほんとうに見かけません。長いとき は20分近くせりふがなく、動きも激しいときとほとんど動かないのが脈 絡もなくやってきて、意味づけ可能なんでしょうか? はっきりいって、見てその場で、おもしろい内容ではないけれど、じわ っと利いてきそうです。

11月24日 HOLOHOLO KA'A「BLEND #1」 千本桜ホール 2500円

初めてみました。ある別荘で婚約パーティが開かれるということで関 係者が集まるが、停電の直後、パーティの主役である娘が死んでいる のが見つかる。悪天候で警察はこれないし、あつまった中に犯人がい る可能性があるということで戦々恐々。さらに逃走途中の銀行強盗ま で現れ大パニック。。。
最初からへんなキャラはありましたが、大筋としては、いたってまじ めなミステリーで、いい緊張感がでてました。かなり意外な結末に苦 心してもっていってますが、結末が前提だと成立しないこともいくつ かあるような気がします。ともかくチームワークよくまとまっていま した。

11月30日 イプセンを上演する会「人形の家」 新生館スタジオ 2000円

人形の家は見るのはじめてなんですが、最近あまり他でも上演されて ませんよね。周囲から明るくてかわいい奥さんだと思われているノー ラは、以前夫が病気した時に、夫に内緒で多額の借金をし、その相手 が夫と仲が悪いことから苦しむことに。。。
いかにも翻訳戯曲というせりふの不自然さはあるものの、夫婦ドラマ の原点ともいえる要素のつまったおもしろい作品です。若い役者なの でスピード感やテンションの高さがあって、見慣れている人にも新鮮 だったのではないでしょうか。登場人物の年齢設定が本に書いてある のかどうかわかりませんが、何歳のつもりでやるかによってかなり 意味合いが違ってくるかもしれません。

12月01日 MAGAZINE「風のレジェンド」 千本桜ホール 3000円

すごくひさしぶりに見ました。地下鉄環状線には、過去の記憶を失い 地上に戻れずにいる地下鉄迷子と呼ばれる人達が暮らしている。彼ら は駅名をもとにしたニックネームで呼び合い、妄想めいた言動をして いるが、進行役の医者を中心になぜこの状況があるかを調べてゆく。
いわゆるアングラなストーリーで、90年代後半からはほとんど見なか ったスタイルですが、今年はちらほらこの手のを見ました。ITバブル の崩壊という世相も関係しているのかもしれませんが、テクノロジ 万能という意識から、人間の精神力や創造力の基本的なところを見直 す風潮もでてきているのではないかと思います。ハードな動きもあっ て役者にとっては疲れる作りでしたが、エンターテイメントな場面の おもしろさをより表現できていれば、けっこう難しいテーマも観客に 身近に感じてもらえたのではないかと思います。

12月07日 グワィニャオン「空飛ぶフーちゃん」ウェストエンドスタジオ 2500円

ときどき見てます。ある公園にホームレス志望のサラリーマンがやっ てきた。先住のホームレスたちは彼に生活のきびしさや普通の生活に 戻る難しさを話して説得するが、結局来るものは拒まずのルールで彼 を受け入れた。次にやってきたのは放浪のホームレス、フーちゃんで いろいろな事を教えてくれたり隣のレストランとのもめ事を収めてく れたり大助かり。しかし極悪ホームレスのふとん男があらわれ。。。
こういう題材なので、100人が100人満足するようなストーリーは不可 能なはずだけど、かなりの人が何がしか見た甲斐を感じられる作品を 作れるところがすごいです。作者自身の役どころはかなりふざけた役 でしたが、書き方として差別しない姿勢が感じられてよかったっです。

グワィニャオン

12月07日 自転車キンクリートSTORE「ダイアナ牧師の大穴」 スペースゼロ 4800円

ひさしぶりのジテキンです。いなか町にある礼拝所は女性牧師が細々 と守っているが、老朽化と金銭難でボロボロの状態。ある日、派手な 女がやってきて、ここで祈ったら儲かったといいだし。。。
一応、ミュージカルということで、歌やダンスもありましたが、 渋い劇の途中で突然踊りだしたりと、やや構成に無理があったのと、 劇場の広さがテンポの足を引っ張ってる感じで、楽しいところが少 なめだったかもしれません。企画的には非常に良いと思うので、 もうちょっと詰めができたのを見てみたいです。

12月08日 樹雷「SAKUYA」 千本桜ホール 1500円

旗揚げ公演だそうです。昔、金髪のため鬼と恐れられた若者がいて、 帝をなきものにしようとする大臣の計略に利用されようとしていた。 しかし、企ての中心人物のひとりである、大臣の子の狙いは少し違 っていて。。。
基本的にはアクションものですが、精神的なややこしさもからめて いました。せりふでもう少し迫力が出ればかっこよかったかも。 和装の衣装が凝っていたけど、ストーリーの時代設定とは違うよう な気がしました。

12月14日 Company Free Style 「Complex Party」 六行会ホール 3500円

はじめてみました。ダンス好きの店長がいる喫茶店に、はじめて来た 客はびっくり。有名雑誌が取材するかもしれないことになり、店長は いつものショーとは違うイベントを考えなければならなくなり、男女 がコンプレックスを打ち明けあうパーティComplex Party、略してコ ンパを企画する。。。
はじまりのダンスとかすごかったので、予想外の当たりかと思ったの ですが、だんだんドロドロして愚痴っぽくなってしまい、結末はなぜ か丸くおさまってしまったストーリーについては不満が残りました。 でも瞬間的な芸やギャグはかなりおもしろく、もともとそんな派手な 役者じゃなかったのに意外でした。

フリースタイル

12月14日 電動夏子安置システム「belle epoque」 リバティ 後払い

他の行こうとしていて開演時間に間に合わなくなってしまったので、 これにしました。この団体、見るの2回目です。下町のある家で爆弾が 爆発して、その家の娘が100年前にタイムスリップ。ひいおじいちゃん の家には革命を起こそうとしている若者達も居候しており、彼女はち ょうど行方不明になった内親王にそっくりだった。。。
民主主義が庶民にとって身近になった時代、混乱も生んだけれど、みん ながそれぞれの感覚でこれからの日本について考えた。義務感で動くの ではなく、新しい文化や考えが人々をじっとしていられない気分にする。 ドタバタしてたけど、すべてにおいて活力にあふれていました。

電動夏子安置システム

12月15日 娘の予感「儚-yume-」 千本桜ホール 800円

2年半ぶりのオリジナル作品だそうです。悪魔に誘われ夢がかなう世界 につれてこられた人々は、夢の牢獄に入れられやたらと恐い天使のもと 強制労働を強いられ帰る方法もわからなくなってしまっていた。しかし その世界で見る夢は、その人が願う内容で見ることができ実際に暮らす のとあまり違いがない。人々が夢の世界の中の夢の世界へ入ると天使が 連れ戻しにくる。人々の不満は天使に向けられ。。。
かなり入りくんだ精神世界の話で、3時間近くの大作でした。演技も激 しく登場人物が切れるのが伝わってくる迫力でした。登場人物の過去を しつこく扱わないのが、この手の作品としては珍しかったです。 暗転が多かったので、前半かなり寝てしまった。

娘の予感

12月21日 ももいろぞうさん「雑踏の中で、うさぎ」 千本桜ホール 1800円

はじめてみました。精神病棟で男女が出会った。女はだまされて売春の店に売られ てしまいいつしかシャングリラを夢見るようになり、男は子供時代に両親から傷つ けられ正気をうしなっていった。。。
舞台や照明もまっピンクでサイケデリックいっちゃってます。正常な世界でないの でストーリー展開もかなりめちゃくちゃですが、きわものとしてはよくまとまって いました。でもうさぎはでてこなかった。千本桜でエロ系はひさびさだなあ。

ももいろぞうさん

12月22日 cineman「すみれの庭」 武蔵野芸能劇場 2500円

はじめてみました。10年間、家を離れていた息子が父が死んで葬儀のために実家に 戻ってきたのだが、若い女が父と一緒に住んでいたことを知りおどろく。結婚した 姉も戻ってきたのだが、アル中気味で離婚するとわめきちらちている。若い女が言 うには、父親とは宗教団体で知り合い親切にしてもらっているという。子供たちは 実家にいたころの父が仕事ばかりで妻や子供をないがしろにしていた記憶が強いの で、人に親切にしていたというのが信じられない。。。
状況はコメディっぽいけど、かなりシリアスな人間関係についての会話劇で本も演 技も質が高かったです。登場人物のキャラクタをこれだけ表現するのは容易ではな いでしょう。かなり満足。

12月22日 Junktion Box 「Singing in the Brain」 die pratze 1800円

はじめてみました。コンピュータゲームはある時期、サイコダイブによって実体験 にかぎりなく近い状態になったが、人間に与えるダメージが問題になりダイブ方式 のハードやソフトが禁止となった。それでも裏マーケットなどで流通していて、あ る少女がダイブして2週間目覚めなくなってしまい、兄や同僚が彼女を連れ戻すた めにゲームに。。。
題材はかなり刺激的でしたが、クライマックスに近づくにつれて、現実は嫌だー、 現実を見て生きよー、とかいうやりとりを繰りかえすのがひねりが足りなくて、も うすこし本をなんとかすべきだなという感想です。。

12月23日 LAVINIA 「A列車で行こう」 ウッディシアター中目黒 3500円

はじめてみました。電車の中でのエピソードを歌とダンスでつづったショーです。 特別なストーリーとかはなく、ごく普通の東京の電車で起こってそうなことで、 けっこう暴れたりするのもあってクリスマスって感じではなかったです。中央線 はこれぐらいエキサイティングなんでしょうか?コーラスきれいでした。

12月25日 大久保企画「ラララ・ワンダフル」 芸術劇場小2 3500円

はじめてみました。1946年に公開された映画「素晴らしき哉人生」のミュージカル 化ということです。見習い2級天使が課題として自殺しようとしている1人の男の 命を救うために地上に降りる。その男は堅実な生き方をしていたので、その幸せの 影で女の子が泣いていたり、同業者の妬みを買っていたのに気づいていなかった。。 。
主役級は四季や音楽座出身者で歌もかなりのものですが、ダンスが良かったです。 子役の出番が多くてダンスもかなりのものでした。それでも作品的には大人のクリ スマスにあったもののように思います。

2002年は168本(訂正)でした。


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take@gene.ne.jp