2002年の演劇

2002/07/07


パート2です。

04月06日 かとりせんこう「朧」 池袋小劇場 2500円

はじめて見ました。昔々、地球の地軸が異常に傾き全生物が滅亡の危機にさら された時、月からかぐや姫がやってきて、ブリキ、かかし、ライオンに3つの 宝物を集めるように命じた。。。
めちゃくちゃな話ですがアクションは凝 ってました。画一的でない小劇場演劇を目指しているのかもしれませんが、現 代のセンスとはかなり違う味です。

04月07日 untitle subject.「夜明けまで。」 千本桜ホール 1500円

団体としては初めてみましたが、見たことある役者もいました。スキー場近く にあると思われるホテルのロビー、アルバイトの女性従業員が夜勤で詰めてい ると、眠れない宿泊客がつぎからつぎへと現われ不思議な言動を示す。。。
やりとりはナンセンスコメディタッチで面白いのですが、それ以上に関係性演 劇の破壊という意味で楽しめました。登場人物はそれぞれ個性を持って動いて いるのですが、事件はそこに居合わせた人がどういう人なのかという設定とは 別方向へ展開してゆく、しかも結末まったく無し。狙いはとてもおもしろい。 ただ大きなスタイル的には静かな路線で、アピールするものが見えにくいとい う課題はあるかと思います。

04月13日 ハグハグ共和国「sketch」 ジェルスホール 2500円

見るの2回目です。ある男と付き合っている女達が共同生活している一室、そ こはいつも大晦日で、そうじをするしないでもめている。実は、そこは妄想の 治療が行われている精神病棟で医者も患者の中にまじって治験をおこなってい る。。。
医者なのか患者なのかわからないような作りはトランスっぽかったですが、女 性キャストだけだったこともあり、思いやりの気持ちが素直に描かれていて、 心情的な内容は大きく違ってました。基本的なところはまじめに作って、する どい言葉もつかっているのは評価できますが、観客側から見た時のことも少し 。。。

ハグハグ共和国

04月13日 サムライno9「Red Rain」 明石スタジオ 2000円

G.O.Aが活動休止から2年、新装開店の旗揚げです。1972年2月、戦後史のひ とつの曲がり角となったあさま山荘事件。警官に殉職者が出たものの過激派 や巻き込まれた人達に死者が無かったとされているが、消えてしまった者達 がいた。その消えてしまった男と女が核心をにぎっていたはず。。。
世界中で武力革命を目指す団体の活動が目立った2001年から今日、日本でも あさま山荘事件を扱った映画が作られ再び関心をあつめました。そのまま 事件をなぞっては演劇としての意味がないと思いますが、この作品のぶっと び方は尋常ではない。アニメネタとつかスタイルが目立って嫌気を感じる人 もいたかと思いますが、これだけ大人数で盛りだくさんを詰め込んだ意欲を 認めたいです。あとで、満足度高い小劇場作品だったと感じる人が多いので はと思います。

Samurai no.9

04月14日 「三人姉妹を追放されしトゥーゼンバフの物語」 新国立劇場小 5250円

チェホフシリーズの3作品目ですが、チェホフ作品ではなく「三人姉妹」に出 てくる人物に自分を重ねて生きている人達の物語で岩松了が書いたものです。 設定は1946年のニューヨークですが、ことばの感覚とかは現代的でした。チ ェホフ劇としては人物がぷっつんしすぎてテイストが違うかなとも思いますが、 演技はこれまでのシリーズでもっとも工夫されていたように思います。

04月14日 バフドクロ「バッスメ超特急」 千本桜ホール 1500円

ときどき見てます。へんな店員、へんなダフ屋、へんなスパイなどのコント でした。バッスメとはBad Smellでクサいコントだと認めてしまっていたよ うですが、スピード感あってセンス良かったと思います。悲鳴にも似た歓声 をあげていた女性観客のみなさん、世の中にはもっとお下劣なものもありま す。精神を鍛えましょう。なんちゃって。

バフドクロ

04月20日 Adventures in motion pictures「THE CAR MAN」 オーチャードホール 13000円

ロンドンのダンスカンパニーによる初来日公演です。カルメンを1960年代の 自動車整備工場を場面に、しかも男に置き換えた内容です。クラシックやっ てる人には下品すぎて付き合いきれないかもしれませんが、あの音楽でまっ たくラテンを感じさせないダンスを作るというのが驚きました。

04月21日 宝塚「風と共に去りぬ」 日生劇場 7500円

88周年特別公演で専科と花組による公演とのことです。内容はみなさんご存 知のとおりですが、これまで宝塚でやっていたバトラー編とスカーレット編 をまとめたということで前中盤が長くなり後半の各場面が短かったように思 います。劇場が宝塚劇場でないことも印象に影響してると思いますが、対話 が新劇っぽいのもいつもの宝塚歌劇と違う感じでした。瀬奈じゅんのスカー レットが、かなり男役の演技で演じられていたのが大胆でよかったです。

04月27日 ソムニウム・ヴァルキュリア「サチクルリ/桃色電綺」 千本桜ホール 1000円

ひさしぶりに見ました。両親が死んでから親戚に預けれられていた女のこが 自宅にもどり下宿屋を始めることにした。羽毛ふとんを売りにきた新米セー ルスマンが人違いでもてなしを受けて、ここに住むことになる。トラブルを 避けるため友達は家に入れてはいけないきまりなのだが、人が出入りするよ うになったある日、お金がなくなる事件が起こる。。。
ほんわかした不思議な話でした。役者は若いのですが役に適した良い演技を していました。料理がまずいってのが笑えました。

04月27日 猫ニャー「コスモプロジェクト」 芸術劇場小2 2800円

演劇弁当になってから第2回公演です。地球に巨大いん石が衝突する数日前、 全地球を代表する対策組織コスモプロジェクトでは作戦失敗の責任を取って 総司令官が辞めると言い出した。副司令官が昇格するかと思いきや、他の 幹部は猛反対。それは副司令官が○○族だったから。。。
映像や装置のこり過ぎが役者と観客の距離を作ってしまった感じでノリが突 っ走るとは言えなかったですが、これだけ無茶苦茶な展開を考えられる人は 他にいないでしょう。あれをセンス良しととるか悪しととるかは意見が分か れるとこでしょうけど、私の意見としては悪い方かなあ。

演劇弁当猫ニャー

04月28日 地人会「丘の上のイエッペ」 ベニサンピット 5500円

デンマークの作家ホルベアが1720年代に書いた喜劇です。酔っ払いでなまけ ものの農夫イエッペは妻から頼まれた買い物の途中で酒を飲んで寝込んでし まい、通りがかった領主に連れ去られ1日領主にまつりあげられる。あまり に贅沢な暮らしに、最初は天国に来たのかと思ったのだが、朝から酒を出さ れ、いつもの悪い癖が。。。
北欧なので渋いところもあるかと思ってましたが、ほとんどバカ喜劇でした。 違う角度から見れば人格の捉えかたが現代演劇的であるとも言えるのですが、 現代人が観るには正直なところ物足りない作品かもかもしれません。個々の せりふや会話構成は良く出来ていたと思います。

04月29日 扉座「そらにさからふもの」 紀伊国屋ホール 4200円

外部作家の作品も上演しようという企画の第1段で大森寿美男の新作です。 付き合っていた男の妻と娘を毒殺した容疑で逮捕されたものの無罪になった 女がいて、彼女は事件の時の記憶を失っている。事件についてのルポを書い たライターも核心を突けずに調査を続けている。釈放後アルバイトを始めた 店で知り合った彼氏が家に遊びに来た日、大学の映画サークルだという連中 が取材兼撮影にやってきて。。。
ミステリーとしては、彼女が加害者なのかそうでないのか微妙に描かれてい て、横山智佐のややぼけたキャラも手伝って本当にわかり難く作られていま した。演出面では本当に「Dacer in the dark」を意識したのかどうかわかり ませんが、フラッシュバックの大掛かりな作りなど映画でなく演劇でやるに はどうするべきか考えてあったと思います。でもやはり映画向きの本かなあ とも思います。

05月01日 五線紙「Girls on broadway」 千本桜ホール 2000円

劇団名を変えての初公演だそうです。ブロードウェイでミュージカルダンサ ーを目指す女の子達と、日本からミュージカル観光に来た女の子達がミュー ジカルに対する気持ちを歌やダンスで表現するミニミュージカルです。
大きなカンパニーの役者のうまさとは違いますが、ミュージカルのつぼがわ かってるというか、ミュージカルを面白くするためのホットな気持ちがあり ました。本格的とはいえないかもしれませんが、久しぶりに満足のゆくミュ ージカルでした。照明や音響にあれだけつぎ込んでいて大丈夫なんでしょうか。

05月04日 PECT「枇杷の木にカナリア」 MOMO 3000円

はじめてみました。ある古屋に姉妹が住んでいて怪しいご近所さんがよく 現れる、妹は婚約をやめて戻ってきたのだが、相手の男が毎日やってきて 煮え切らない話をしてゆく。結婚をやめた理由は性の不一致だと言うが、 姉にはSMプレイのことまで楽しく語る妹の気持がよくわからない。
ストーリーはかなりふざけているけど、心情表現などすごく丁寧に作って あるので見ごたえありました。家族劇の作り方としては、今面白い方法の ひとつがこれなんだなと感じました。

P.E.C.T.

05月04日 FEVER DRAGON「ストレート」 芸術劇場小1 3300円

わりと良くみてる劇団です。4人組の泥棒がある王国の国宝である宝石を 盗み出したが、へんな精霊があらわれ物理的に所持するだけでは持ち主に はなれないというようなことを言う。その国では実権を握った将軍が姫と 結婚し王位を継ごうとしていたが、姫は宝石を求めて城を抜け出す。。。
ハードSF作品とそれ以外の作品で感じが違う劇団なんですが、今回は 漫画のような冒険を作りたかったということで軽い方になるんでしょう。 でも軽快じゃないんだなあ。

FEVER DRAGON

05月05日 オンリーワンシアター「180℃」 千本桜ホール 1500円

ひさしぶりに見ました。主人夫婦と住み込みで修行している兄ちゃん、話 好きなアルバイトの女の子でやってるケーキ屋があって、休みの日に新作 ケーキの試作が行われている。リビングで奥さんとアルバイトの女の子が 話をしていて、奥さんが昔アンナミラーズでアルバイトしていたというこ とから、結婚や独立についての微妙な話になる。
会話劇として話の順序が絶妙でした。普通の会話と会話劇の違いはなんだ ろうと時々考えるのですが、作り物っぽくないように全体としてテーマを 持たせる話の順序が重要なんですね。180℃って店の名前が終わりの方で 1回だけ出てくるのが粋でした。

05月11日 ひょうご舞台芸術「ロンサムウェスト」 世田谷パブリック 6000円

ロンドン生まれながらアイルランドのいなかを扱った本ばかり書いている マーチン・マクドナーの作品です。 99年の文学座夢の島イニシューマン 以来ということになります。
かなり荒んだ生活をしている人々と、アル中の神父、最初から破局を感じ させる内容だが、結構見ている人のタイミングを外して展開されるところ などがうまい。役者の年齢が妥当かどうかは疑問だが演出家の腕が試され る作品であるといえる。個人的にはあまり好きな話じゃないけど。

兵庫県立芸術文化センター(仮)

05月11日 ナチュラルビート「KID」 千本桜ホール 2200円

はじめて見ました。借金でつぶれそうな劇団が次回公演をやりたいのだが お金がない。主宰者は金策に追われ、役者やスタッフはステージにかける 気持ちを歌う。。。
プロダクションの劇団みたいで、劇場演劇・ミュージカルとしてのまとま りは良くないんだけど、個人の歌とかは気合入っていてみどころありまし た。小学生の女の子のうまさが目だってましたが、お兄さんお姉さんたち は演技部分のミュージカル性を忘れてしまっていたのではないでしょうか。 歯並びがきれいな人が多かったです。

05月12日 にんじんボーン「たんぽぽは眠らない」 スズナリ 3500円

ひさしぶりに見ました。町の祭りに公演を頼まれた人形劇団が、前年の実 行委員の人たちと喧嘩になり、団員たちは帰ると言い出し。。。
ピッコロで本当に人形劇をやっていたという宮本勝行が、普通の劇団と人 形劇団の違いに気をつかって書いた本で、劇団やってる人にはかなり面白 いでしょう。でも、東京以外でこのまま上演したら、危険かも。

にんじんボーン

05月12日 1mg「ヒポクラテスとランチ」 麻布die pratze 2500円

よく見てる劇団です。新シリーズの1作目だそうです。ヒポクラテスの娘 は、父や兄が手術を禁止しているのに異を唱えたり、組織に反抗的であっ たために閉じ込められている。兄は新医学の定着を最優先するために一致 した行動を取るように説得するが。。。一方現代のあるところにボーとし た青年がいて、父の遺品としてヒポクラテスの本を手に入れる。両親が離 婚して、母の苦労を見ていた彼は、父がラテン語の本を持っていたことに なぜと。。。
本の上では2つの世界のつながりや、キーマテリアルの意味がもっとすっき りしていたのかもしれませんが、劇にすると難しいこともあります。 映像、音響、美術、衣装などの役割を大きくして、パフォーミングアート 風のスタイルになってましたが、個人的にはかなり気に入りました。

1mg

05月12日 ピンスパイラル「未完の闇、雨」 池袋小劇場 1500円

見るの3作品めです。父王の死後、女であることを隠されている王のもとに 后候補だという娘が連れてこられた。王は娘に帰れと言うが、娘は王が身 を滅ぼそうとしている理由が気になって王宮に残る。
最初、ピンクの照明で悶えている風で、どんな内容になっちゃうかと心配 にもなったのですが、厳しいところを突いてきます。前作に比べるとやや テーマが見えにくいですがダンスにこめられていたのか、印象的な動きで した。

05月18日 キャプテンチンパンジー「Bu-Fu-Woooo」 シアターグリーン 2500円

わりとよく見てる劇団です。売れない絵本作家の長女、武道チャンピオンの 次女、頭脳とお色気の三女が暮らす部屋に、次元警備隊だと名乗る3人がやっ て来て他次元で連続発生している誘拐事件に対する警備と歴史維持のため、 長女に他次元でその次元での彼女をやってほしいという依頼をした。あち こち回っている間に、さえない正義のヒーローみたいな長女の彼の運命が鍵 となっていることがわかり。。。
今回のは、まんがネタを使いすぎのような気もするけど、小劇場ハートフル コメディではトップ団体の1つだと思ってる期待以上のものをいつも見せてく れます。キャラクタ作りすごい。

CAPTAIN CHIMPANZEE

05月18日 KOKAMI@network「幽霊はここにいる」 サザンシアター 5800円

安部公房が44年前に書いた本だそうです。さぎまがいのことをして8年間行方 をくらましていた男が帰ってきて、幽霊ビジネスを始めた。最初順調にゆく が、過去の犯罪を目撃したという脅迫状がきたりして。。。
何を楽しめばよかったのか悩む内容でした。昔はともかく今では物語として おもしろいわけでなく、劇文学レトリックなのかなあ。ぬるい笑いを追及し たとも思えないし。

05月19日 「ワーニャおじさん」 新国立小 3150円

チェホフシリーズの第4弾です。長年義兄の領地管理をまかされてきたワーニ ャだが、ひさしぶりに会った義兄が口にした一言でブチ切れ。。。
戯曲に新訳を使い、栗山民也も初チェホフとのことで、チェホフ劇によくあ る雰囲気とは違うものがありました。100年200年後の人に人生の価値や幸せ について問いかける内容であると言われていますが、現代東京人にとっての 表現としてふさわしかったかどうかは疑問です。個人的にはチェホフやステ ージに対する愛情なみのものを登場人物に示して欲しかったように思います。 片平なぎさがピアノを弾こうとする所でアレを期待してしまいたが、さすが に無しでした。

05月19日 座敷牢「サロメ」 千本桜ホール 2000円

はじめてみました。オスカー・ワイルドが書いた古典物です。イスラエルの 王女サロメが人気者の預言者に対して起こした愛情表現は、父王に彼の首を 取ってくれるように頼むことだった。。。
白塗り舞踏様式の2人劇で、サロメと父王が、首が欲しい、駄目だという やりとりをするところを中心に厳選したせりふを文語調で発する劇です。 普段目にする人間行動とは異なりますが、動きも語りも完成度を高めて あったので、難解と感じることはまったく無く、やりたいことがはっきり 伝わる表現だったと思います。毎週見る気はしないけどたまにはこういう 強烈なのもいいものです。

舞台集団座敷牢

05月25日 しずくまち♭「青のすべて」 シアターグリーン 共通券

はじめてみました。にゃおにゃおプロジェクトから改名して初の公演との ことです。ややボケた老画家、彼に絵を贈られた人々、彼の絵にこだわる 画廊オーナー、そこで働く画家の娘などが、絵の世界にふれ直す不思議な 機会を得る話です。
初めて見ましたが、けっこう個性的なつくりをしてる団体ですね。好みは 分かれると思いますが詩的な世界表現が工夫されて見ごたえあります。そ のわりに客席を強く見つめる演技がインパクトあって抽象的に捉えた方が いいのかなとも考えてしまいます。

しずくまち♭

05月259日 大人計画「春子ブックセンター」 本多劇場 4700円

宮藤官九郎が初めて本公演の本と演出を担当したものです。さびしい 温泉街のストリップ劇場の楽屋に、とぼけた雑用係がいた。しかし彼 は、一世を風靡した漫才グループ春子ブックセンターのメンバーで、 ある日、テレビタレントとそのマネージャーになった2人のメンバー が彼を訪ねてきた。。。
お笑い理論のさわりだけかもしれないけど、さわりであれだけの量が あったら、お笑いはどんなに奥が深いものだろうかと考えちゃいます。 小ネタが多いので演劇としては浅く見られる可能性もあると思います が、お笑いにこれだけこだわって、人情とか、パロディに流れないと いうのはすごいと思います。

05月26日 ブランコ「ゆっくり静かに出て行って!」 千本桜ホール 1500円

はじめてみました。5回結婚して4回離婚した男がいて、最後の相手が 死んでからは急に地味な生活をするようになってしまった。4人の元妻 たちは、次々と新しい恋を求める男とつきあってしまった仕方なさも悟 り離婚後も友情や仕事のつきあいをしている。しかし以前とかわってし まった男に対してこれまでのつきあいに区切りをつけようという気がお こり。。。
観客年齢は幅広かったですが、内容的には中年というか結婚して月日が たってる人に面白いでしょうね。シチェーションはかなり異常なんだけ ど、日常の夫婦の会話ベースのとりとりなので、テンポは遅めに感じま した。

05月29日「ダブリンの鐘つきカビ人間」 パルコ劇場 7500円

1992年に遊気舎で初演された作品の再演だそうです。ダブリンの廃村に 迷い込んだ男女の旅行者が山荘に暮らす男から1本の剣についての話を 聞く。昔、この地方で変な病気がはやり不思議な力を持つ剣を探す冒険 があり、その影にやさしい娘ときらわれ者のカビ人間の悲劇があった。
寓話を逆手にとったような非常識な展開と、状況を的確に表す言葉づか いの緻密さが楽しかったです。でも個人芸風を見せなきゃいかんのかな?

06月01日 原色Mixer「ミラクル熟女スペースお千代」 シアターグリーン 共通券

はじめて見ましたが、まだ第2回公演だそうです。元アイドルのあおい は再デヴューを狙っているが、さすがに歳で相手にされない。そんな時、 宇宙人が現れ若返りさせてくれた。いっぽう彼女の娘も芸能界にあこが れオーディションに合格し、2人が元トップアイドルの娘として競合す ることに。。。
最近、シアターグリーンフェスティバルでここまでバカな話を作ってく る団体も少なくなってしまいました。貴重な存在です。ピックアップさ れるとしたら、もちろんワースト側だろうけど、ここまで開き直ってく れると気持ちいい。お父さんやハンサムボーイズのむなしいがんばりが もりあげに効いてました。でも役者はうまっかた。

可燃物

06月02日 アセチレンラヴ「Dear my tears」 千本桜ホール 2500円

ときどき見てます。他人を集めて家族生活をさせる実験が行われていて、 その内の一軒は中年の姉妹とそれぞれ3人と1人の年頃の娘という女6人の 構成で、かなりバラバラな生活で期間100日の残り10日となっていた。よ うするにお互い、それまでの生き方を語らずに報奨金や研究のためを理 由にしていた。しかし共同生活には致命的な事件が続けて起こりだし。。 。
国営放送で全国放映されてもおかしくないハイレベルな内容でした。近 未来で従来の家族がより崩壊した状況と説明されたわりには、まさに今 の状況を描いているって感じで、本当にやってみたらどんなコミュニテ ィーができるか興味深いです。

ACETYLENE LOVE

06月08日 イプセンを上演する会「野がも」 新生館スタジオ 2000円

1884年、イプセン57才の作品だそうです。写真屋で発明に熱心な男がいて 家族を大切に暮らしていた。下宿人を募ったところ近くに住む豪商の息子 が父親と仲が悪く、この家に住むことになった。この写真屋の男は豪商の 支援を受けていたが、それは罪をかぶって服役した父親への補償だと思っ ていたのだが、豪商の息子に彼の妻は、豪商の元情婦だったと教えられ家 族愛は一気に崩壊してゆく。。。
サッカーの録画を朝まで見てたので眠くて前半はうとうとしてしまったの ですが、この作品はそうとう面白いかもしれない。あまり他の劇団で上演 してるのを聞かなくて、中高年が見るには納得いかない事が多そう。日本 の作家では松尾スズキのテイストに近いかも。

06月08日 由木事務所「レストルーム」 シアターグリーン 共通券

はじめて見ました。合コン会場のトイレでは始まる前から男女それぞれが 作戦を立てたり、ものにするかどうかで賭けをしたりしている。中には血 気さかんなやつらもいるのだが、出会いと別れの連続で恋愛が面倒になっ てしまった女や、両刀使いの男もいたりして。。。
前半が女3人、後半が男3人のシンプルな構成でしたが、話の内容やキャラ クターつくりはとても凝ってました。シンプルなつくりだからこそ面白い 作品ってのは演劇でしか成立しませんよね。

06月09日 TRUTH「クイマシリキ」 西荻WENS 2500円

見るの2回目です。ミュージカルもやってる団体ですが、今回はラブストー リーでした。沖縄で1人の男が50年前に出されたボトルメイルを拾う。 彼はその手紙のあて先である、きりしまいくさんを探し始める。そんな時、 東京の出版社に勤める友人が来て、会社にボトルメイルの差出人が書いた 詩集原稿が持ち込まれていたことがわかる。。。
ラブストーリーの部分は渋いのですが、出版社の連中がお笑いキャラで楽 しかったです。本としての深みはあまりありませんでしたが、東京と沖縄 の雰囲気をうまく作り分けていたのが感心しました。 主要3キャストを交代トリプルキャストでやってるのがすごいけど、見た目 全然違う役者だし、劇の雰囲気もそれなりに違うんだろうな。

TRUTH

06月09日 ストレンジ・アトラクタ「髪をかきあげる」 千本桜ホール 1500円

旗揚げ公演とのことです。鈴江俊郎の岸田賞受賞作だそうです。あるOLが 付き合っている大学生はとても変な男で、突然やってきて馬のマネをした り、感情を逆撫でする言動をするが、人気者の一面もあり短大生にドイツ 語を教えたりしている。一方、会社の上司で家庭生活に飽きたという男も アプローチしてきて、長い髪にしろよとか、期待を持たせる事を言う。 でも彼女は何かうまくいっていない感じがして、夜の散歩に出たり。。。
わけのわからんところがおもしろい作品ではありますが、やや時代遅れに なったせりふが白けさせるところもありました。キャリアのある役者なの で、濃さや不安定さの出し方はうまいのですが、いまこの作品を上演する 意味までは伝えきれてないようにも思いました。

ストレンジ・アトラクタ

06月15日 Sun段銃三世「鬼-ki-」 シアターグリーン 共通券

はじめてみました。鬼を退治して旅をしている男がある村で妖気ただよう山 に踏み込む。気の原因である怪しい女を倒すのだが、今度は彼が深い闇にと らわれ。。。
おわらい活劇で、時代考証のはちゃめちゃさは面白かったですが、笑いの最 大ネタが主人公の頭が薄いことというのが、ちょっとかわいそうでした。 ストーリーも少しごちゃごちゃいったりきたりで、もう少し工夫が欲しいで す。娘役の人、うごきが良くて娯楽系舞台に映えます。

Sun段銃三世

06月16日 G-gate「rise/光の街へ」 銀座小劇場 1900円

はじめてみました。月にある実験施設に地球から1台のシャトルが緊急飛来し、 地球が核事故で地表のほとんどが生存不能になったという。彼はすぐに地球に もどるというのだが、月のスタッフは彼をひきとめる。彼の前に少女が現れる のだが、施設にそういう人はいないなはずだといわれ。。。
4年前に初演された作品ということで、90年代の色濃いテイストでした。回想 シーンで人間関係を描いたところなどが多くて、サイエンス系作品としては物 足りなさもありましたが、技術研究が何のためにおこなわれているかを見失い がちな現代人にメッセージになってる作品です。 いっけん真面目そうで個性的な役者が多かったのでギャグとかは独特の味があ りました。

G-gate

06月16日 クッキーモン星「かってに改蔵」 千本桜ホール カンパ

2年ぶり公演です。少年サンデー掲載作品とのことですが、見たことないです。 元天才で、ジャングルジムから落ちて凡人になってしまった高校生が科学部 でインチキ部長から改造人間にされ、メンテナンス費用のためといって怪し い金稼ぎを手伝わされる。昔、彼が潰した英才塾の中途半端な天才達が彼を 倒しにやってきて。。。
もー、ほんとよくやるとしか言えません。高校生を演じるということから暴 挙ですが、不気味ささえも笑いにしてるし。小劇場のディープなマニアには たまりません。

クッキーモン星

6/20 モーニング娘のミュージカルでもみようと思って出かけたのですが、当 日券の抽選が終わった後だったみたいなので、イメージフォーラムで「Chloe」 を見ました。出会いから一気に盛り上がり結婚したカップル(永瀬正敏、とも さかりえ)を次々とアクシデントが襲う。妻が肺に花のつぼみができる奇病に なったり、夫がプラネタリウムの仕事を失ったり、友人の借金問題にまきこま れていったり。。。
いろいろ変なことが盛り込まれていて、マニアックな映画らしい映画でした。 メインストーリーである妻の病気については不思議な世界を、周囲の人間関係 については生生しく作られていて、これまでもこういうタッチの作品はあった と思うのですが、今までとちょっと違う感じでした。表情で物語を語りすぎな いのや、冷めたナレーションとかが無いのが良かったです。失礼だけどともさ かりえにしては上出来な仕事だと思います。

06月22日 ジャーマン「リングサイドは面々」 千本桜ホール 1800円

旗揚げ公演だそうです。はじめて一人暮らしをする女子大学生のアパートに 友達が引越しの手伝いをしに来ている。彼女はボーとした女の子で、とりあ えず衣類やテレビは運んだものの、冷蔵庫やベッドは全然用意してない。買 いに行こうかと言った所に、彼女の姉が電化製品一式を届けながら現れる。 引越し祝いだというのだが、友達にも過保護なのか、隠れた理由があるので はないかと思われ。。。
プロレスの話かと思って行ったのですが、全然違いました。最後のオチみた いな所以外はありがちな会話劇で、アパートの部屋の中だけなのですが、引 越しの最中で人が入れ替わりで現れる状況をうまく使って作られていました。 ありがちな会話ですが刺激の入れ方がうまかったと思います。現代らしい結 末もいやみが利いていて良かったです。

06月26日 北区つか「熱海殺人事件-モンテカルロイリュージョン」 紀伊国屋ホール 6500円

1993年のときは2000円だったのに。。。良くも悪くも日本現代演劇の岐路を 作った熱海殺人事件ですが、なぜいろいろなヴァージョンで上演を繰り返す のか考えると夜も眠れなくなります。ってことはありませんが、観客や演劇 人がつかこうへいの作り出す刺激に(ネームバリューだけではないという意味 で)依存しすぎているのではないかと、最近ふと思うのです。革命の旗印にま つりあげても、すでに戦う相手はなく。。。

06月30日 力の加減「魚醤皇帝」 アゴラ劇場 2500円

よくみてる劇団です。一組の夫婦がタイ旅行に来て、夫の方が調子がおかしい 時、へんな娘が現れ龍族の王の卵をあずけた。インドシナに昔栄えていた龍族 の国は中国からの攻撃で滅び、どうもその時の因縁が時代を超えて蘇ったよう である。。。
いつもながらの微妙にバカな展開ですが、場面場面の作り方がコメディらしさ あふれた分、これまでの脱力感とは違った力強さを感じました。作り物はゾウ だけにしておいた方がセンスある悪趣味が味わえたような気がします。

オフィス加減

06月30日 Stage Station「ぼくの村はどこ?」 千本桜ホール 2500円

映画監督の桜井秀雄がユーゴスラビア内戦を題材に書いた小説を、本人の演出 で朗読劇にしたものです。コソボに住むアルバニア人一家がセルビア人の攻撃 で難民キャンプに逃げ、息子と母親は父親の死を知らされる。やがてNATOの介 入で村へ戻れることになったが、廃墟になった村で息子は父親の死に関する驚 くべき情報を知らされる。。。
日本で映像作品にするのは難しいということで、演劇的手法を交えた朗読劇に したとのことです。死がすぐ目の前にある厳しい状況を表現するには朗読も有 力な手段であり、すごく演技力のある役者でなければ演技でぬるくなってしま うのはわかるのですが、やっぱり観客を信用して本格的に演技を付けて欲しか ったです。外国作品を日本人が演じてもほとんどは成立しているのですから。

1〜6月で80本でした。


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take@gene.ne.jp